蜘蛛の糸

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本棚登録 : 116
レビュー : 19
著者 :
夜型さん フィクション   読み終わった 

いやー、怖いです。
因果応報というか、本当にこうしたお話は怖気がします。

フィクションに出てくるあれこれを現実にリンクさせる読み方はあんまりよろしくないかもしれません。
ただ、カンダタは実際います。アナキンが暗黒面に堕ちたように誰の心にも。
別にカンダタのような大犯罪者でなくてもやさしく読み替えれば良いのです。
”尊大で嘘ばかりつき疑心暗鬼で攻撃的な振る舞いをする人”
ね、これならいっぱいいるでしょう。実際、僕の周りにもいっぱいいました。

自分の幸せのために修羅の道へと踏み外し、人を都合よく利用して平然と切り捨てるような人って世の中に腐るほどいるんじゃあないでしょうか。
大体が自分しか見えてないし、自分のことしか考えてません。これはおそらくナルシストでもエゴイストでも当てはまりますよね。どんな人種であっても心のカタワとは相容れないのです。

僕はこの作品をそのような手合いに教えました。
僕のことを踏み台にして自分の幸せをつかもうと企んだ男に。
彼は恩に報いる気もなく、潔く謝る気もなく、償うそぶりすらも一切見せなかったので、天神様に成り代わって僕は手を下しました(!)
彼はラクになろうと思った時期があったそうですが、自分の命可愛さに悪事に手を染めました。結果として彼も彼の家族も地獄に堕とされることになりました。ついぞ改心することはなかったのです。ごんぎつねよ、キミはえらい!

ことわざが科学的に立証されているようにこうした寓意は、どうやら説明がつけられるんじゃないかって思いました。
手近なもので集めてみると、古くは「贈与論」、進化心理学の好意の返報性、さらに組織心理学においてもどうやら説明がつけられそう。

Are you a giver or a taker? | Adam Grant
https://youtu.be/YyXRYgjQXX0

市場において貰ってばっかりで返礼しない者は嫌われます。
そりゃあ、負んぶに抱っこの甘ったれた乞食精神丸出しのクソガキは確かに始末に負えないことでしょう。
非親切もやり返されます。作用反作用の法則が働いて。事例を引けば枚挙にいとまがないです。どんな身分であれどんな関係性であれ、この道理はまかり通ります。

どうせなら正しい行いを貫いて人に感謝されて死んだ方がマシですね。そう、かたあしだちょうのエルフのようにね。
憎まれて死んだらもう二度と塗り替えられないし、死んだ後も憎まれ続けます。

どの宗教を信仰するにしろ、無神論者になるにしろ、嘘くさい道徳の授業などよりもこの作品の訓示は僕にとっては貴重だと思いました。

「俺が地獄に堕ちなきゃお前は気が済まないんだろう」
と彼は言いました。
「よくわかってるじゃん!」
と僕は思い、地獄に突き落しました。

彼は再び地獄の底に舞い戻って行きました。死後は本当の地獄に堕ちることでしょう。

レビュー投稿日
2019年12月21日
読了日
2019年12月2日
本棚登録日
2019年12月2日
28
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『蜘蛛の糸』のレビューへのコメント

nejidonさん (2020年1月2日)

夜型さん、こんにちは(^^♪
いつもコメントをいただく一方なので、今日はこちらに書きこみますね。
この作品は、大人になってから読むとその深遠な意味合いがよく分かりますね。
怖さの意味を知ると、もっともっと怖いものです。芥川は巧い。
ところで「本にまつわる本」ですが、しばしばリスト外の本にまで旅をして
しまっています。
心ならずもどんどん繋がってしまいまして。
でもちゃんと基本に立ち返りますので、どうか温かい「親心」で見守ってやって
下さいね・笑
夜型さんがお元気だと、私も心底嬉しいのですよ。
今年もどうぞよろしくお願いします。
あ、そうだ!ネオ高等遊民さんのライブ、すごーく面白かったですよ!!

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