本当にいつも通りの寓話です
普段何気なく接している事柄を抽出し、再構成し、物語化する
一見簡単に見えてとても難しい事を今回もさも簡単そうにやってのけてます
毎度毎度の精巧な物語の構築、恐れ入るの一言です
そんな今作ですが、今回は大分社会風刺色が強いです
特に表現の自由を扱った『違法な国』は秀逸で
「作品」と呼べるものに少しでも携わる人には是非読んでほしいお話
日本がこんな国にならない事を切に祈るばかりであります
と、少々重い話が続くわけですが
決してそれだけで終わらないのが時雨沢クオリティ
スペシャル収録の『いろいろな話』はキノと若かりし頃の師匠が一緒に旅をするという
作者の悪ノリ全開な出来ですし
お待ちかねのあとがきも作者との一問一答の興味深い内容になっております
一読の価値がある、ファン納得の13冊目です
個人的には、巻頭カラーの『嫌いな国』『凄い国』が好きです
シンプルで、でもちゃんとオチがあって人間臭い所がもうたまりません
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ライトノベル
- 感想投稿日 : 2010年5月14日
- 読了日 : 2010年5月14日
- 本棚登録日 : 2010年5月14日
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