文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

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レビュー : 60
制作 : Jared Diamond  楡井 浩一 
hacchan320さん  未設定  読み終わった 

文明がどのように姿を消したのか、また生き残るために社会がすべき意志決定について興味をもち手に取る。


あまり興味のなかった環境問題の本を読んで、重大な意志決定を行う(長期的な繁栄と存続のため)には多面的に捉えることが重要であることなどをはじめ、物事の見方に大きく影響を受けました。


上巻の内容の総括もふまえると、

世界で人口の増加が進む中で食糧消費が増大し、
それをまかなうために有限な資源(森林、海洋生物、農地)から
再生可能量を超える過剰な生産を行うことで資源が枯渇していく恐れがある。
これからの未来を人類がどう歩むべきかについてを現在発生しているいくつかの問題を例に挙げて論じている。


上巻を踏まえても、国家や人類が長期的に存続していくためには、抱える問題をしっかりを捉え、短期的な利益だけを追求することなく、長期的に安定した利益を得られるような意志決定をしていくことが必要であることがわかる。

国家は政治、経済を豊かに保つために様々な問題や情勢を踏まえて短期的、長期的に政策決定をしていくのだが、国内が抱える問題の規模などから短期的利益をもたらす選択を高い優先順位にすることが多いだろう。

また現在の社会はグローバルに結び付き、資源などを相互依存しているため
一国の利害を考えるだけで意志決定を行うことは非常に難しい。

依存しあっているからこそ、ひとつの国で起こった問題の影響は波及していくことは過去の金融危機などからも明らかであろう。
これは環境問題でも同じである。
一つの有限な資源が枯渇したり制限がかかることは、多くの国に影響を与えることにつながる。

長期的な繁栄を考える上で、環境問題は様々な利害関係が複雑にからみあっており、有限な資源をめぐっては、場合によっては双方ないしは全員に利益をもたらす選択をする、またはそのような選択を準備することは難しいだろう。

これらを成し遂げることは容易ではないが、対応するために2種類の選択があると筆者は述べる。

・政府の徹底したトップダウン型の対策措置の実施
・地域や人民によるボトムアップ型の対策措置の実施

トップダウンには厳格な統制機構と、それを行う社会の風潮(適切な言葉がわからないです)、そして最低限の経済の発達があるように思う。
個人的には共通の利害関係の認識をもった国民が自主的に問題を発見し、それを防止・解決するために活動をしていくボトムアップの方が望ましいと思われるが、
それには国民に共通の認識が必要であるしどちらも組み合わせてこそだとも考える。

日本は国土の70%以上を森林を持つ国であるが、国でつかわれる木材はオーストラリアから輸入し被害を他国に押し付けているとの記載があったがショックを受けた。
このようなことからも、物事には一面的にみることができないことはたくさんあるということを気づかされました。

複雑な問題を抱える現在の社会を生きる人にとって、解決策を考えるためのヒントになる本だと感じた。
ぜひいろんな人に読んでほしいです。

レビュー投稿日
2013年9月8日
読了日
2013年8月26日
本棚登録日
2013年6月21日
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