
私は小学生の頃、共産主義者の兄の影響で、朝鮮中央放送の日本語放送を良く聞いていた。本当に北朝鮮は、この世の天国と信じていた時期がある。
その後、それは全くの嘘であると知って、少なからずショックを受けた。大人になったら、この国を自分の目で見たくて、旅行に2回行った。最初に行くときは、無事に帰ってこれるのかという不安、この国にお金を落として来ても良いのかというためらいもあったが、好奇心が勝った。
二回目も、どうしてもマスゲームが見たくて行った。
後半で、筆者が洗脳から解けて、世界に注目されるようになるまでの変化が告白されているが、それを読んでいる途中で、何度も表紙の写真を眺めた。
目が印象的だ。悲しみに沈んでいるような、救いを助けているような目だ。でも、視線は定まっているような目をしていると感じる。
北朝鮮は、数年のうちに崩壊すると言われ続けて来たが、まだ、体制は維持されている。この本を読んで、情報統制、思想統制、相互監視により、内部崩壊を防いでいる状況には、変化はないのだと感じた。
- レビュー投稿日
- 2018年11月25日
- 読了日
- 2016年2月5日
- 本棚登録日
- 2018年11月25日
『生きるための選択 ―少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った』のレビューへのコメント
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