銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

  • 草思社 (2000年10月2日発売)
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・何故世界はかくも不均衡な状態(ヨーロッパとアメリカを中心とした先進国と発展途上国)にあるのだろうか?スペイン人はインカ帝国・アステカ帝国を滅ぼしたが何故、逆にインカ帝国・アステカ帝国がヨーロッパを滅ぼすようなことが起こらなかったのかを突き詰めた本。
・最終氷河期が終わった1万3000年前の地球は、食料採集民族しか存在せず似たりよったりであったはず。どこで差が生じたのか。
・着眼点を民族としての優劣ではなく、環境に当て根本原因から解き明かしている力作。
・多様な家畜、食料の野生→東西に伸びる大陸→食料生産の開始(容易性)→人口の増加・集中→疫病への発生・免疫性の獲得→政治組織・分業・道具・武器のイノベーション→文字の発明といった流れで全体が説明されている。
・中国も西アジアと同様の時期に食料生産を開始しながら、世界の覇権を取れなかった原因が、統一国家であるが故に唯一の王が間違った判断をしたためイノベーションが停滞した時期があったことによる(ヨーロッパは統一されたいたことは一度もない。)といった理論が面白かった。この部分はもっと掘り下げて考えてみたい。
・橘玲氏も「(日本人)」で、大陸が横に長いユーラシア大陸が、食料生産が伝わるという上では有利だった(気候帯が似ているから)と記述しており、本書を参考にしていると思われる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2013年1月7日
読了日 : 2013年1月7日
本棚登録日 : 2013年1月5日

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