世界の歴史〈10〉フランス革命とナポレオン (中公文庫)

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レビュー : 3
著者 :
haircut1974さん  未設定  いま読んでる 

僕の人生を決めた一冊といってもいいだろう。高校一年生の時にこの本を読まなければ、僕は史学科西洋史専攻を選ぶことも、フランスの歴史学について学ぶこともなかった。この本に対しては、ありがとう、と思うときもあれば、なんてこった、と思うときもある(どちらかといえば後者の方が強い)
村上春樹も少年時代愛読したというこのシリーズ、ドラマティックに語りながらも、実証的見地を見失っていない、歴史入門者にとっては理想的な本である(ただし史観が古いことは念頭に入れるべきである)。
前半はフランス革命、後半はナポレオンについてだが、なぜか僕は前半のほうに興味が行く。現代はかつてないスピードで時代が変わるといわれているが、19世紀末と、この18世紀末ほど歴史が激しく動いた時期はない。封建主義という、現実に則さず歪みに歪みながらも数百年と続いたシステムを、フランス革命は、一気に破壊した。そして未知への世界へと足を踏み入れた。全く過去には存在しなかったものを創造するのは、さぞや不安で、恐ろしく、勇気の要ることだったと思う。もちろん行動のバックボーンである、ルソーやモンテスキューの思想の助けを借りて行ったのであるが。
考えさせられるのは、ロベスピエールの生き方である。彼の理想は正しかった。強い信念も、行動力も、清廉さも、正しかった。ただひとつ、歴史を見誤っていたのだ。フランス革命とは、ブルジョワジーによる革命だった。その一番重要な部分をロベスピエールは、見誤った。そしてサン・キュロット(下層ブルジョワジー)に権力の基盤を置き、そして、ブルジョワジーに倒されるのである。
あと感心するのは、政治家は演説が上手いということである。ギリシャ・ローマ以来現代までずっと、演説が上手いというのは、西洋の政治家には必要条件だった。ブッシュ大統領ほど演説が下手な人間が大統領になったのも、革命的なことかもしれない。

レビュー投稿日
2011年12月20日
本棚登録日
2011年12月20日
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