古書にまつわる推理小説、怪奇小説などが収録されている。
収録作品は以下の通り。(カッコ内は初出年)
(江戸川乱歩: 口絵)
松本清張: 二冊の同じ本(1971年)
短いながらも人間模様がよく描かれており、解決に論理の飛躍が無い良作。
城昌幸: 怪奇製造人(1925年)
ショートショート独特の落ち方。
甲賀三郎: 焦げた聖書(1931年)
やや偶然が重なりすぎている感があるか。
戸板康二: はんにん(1961年)
題名がミソ。子供たちが微笑ましい。
石沢英太郎: 献本(1979年)
誰もが知る作家の献本では起こらなかったでしょう。
梶山季之: 水無月十三么九(1974年)
雑誌記者としての視点が光る作品。ホラー要素含む。
出久根達郎: 神隠し(1985年)
思わず涙を流してしまいました。
早見裕司: 終夜図書館(2004年)
この本で唯一2000年代の作品。文体が特殊。
都筑道夫: 署名本が死につながる(1976年)
題名は5と似ているが、全く違う解決をする。
野呂邦暢: 若い砂漠(1978年)
作家としての矜持とその他の人格は切っても切れない関係。何事でも口先三寸は避けたいところ。
紀田順一郎: 展覧会の客(1990年)
予想通りの落ちと思わせてもう一回落ちる。
仁木悦子: 倉の中の実験(1972年)
世間で何があろうとも、家族の仲はよく保ちたいもの。芥川龍之介の玄鶴山房を思い出しました。
解説は神保博久。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月31日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2020年8月31日
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