“てんてん゛とは何かと思わせるタイトルである。゛てんてん゛とはがぎぐげごとかばびぶべぼとか濁音につけられる所謂濁音符である。今でこそ゛が゛はひとつの活字になっているのだが、元々の日本語では、゛か゛という文字に符合として゛てんてん゛を付けたものという認識であったし、゛てんてん゛と言う表記が確立される前は゛か゛という清音しかなく、読む人が文脈から判断して゛が゛と読んでいたのである。すなわち日本語には゛が゛という音はあったのにこれを表す文字がなかったのである。
更にさかのぼった古代に使われていた万葉仮名にでは゛か゛と゛が゛の使い分けがあったのである。
というような、日本語かな表記の歴史を゛てんてん゛のなぞを中心に語られています。マイナーなテーマのように見えてなかなか奥深い内容です。

2024年4月22日

読書状況 読み終わった [2024年4月22日]
カテゴリ 日本語・漢字

趣味と仕事の区別がつかない人は好きである。こういう人はノって筆を進めるので、内容が専門的が過ぎるところもある。正直なんのことやら理解が及ばない部分も多々ある。
寄生虫の写真も満載。こうやってみると寄生虫って消化器官と生殖器でできているとしか思えん。
寄生虫愛に溢れているが、残念ながらやはり寄生虫は好きになれん。
生魚に寄生しているアニサキスを自宅で標本にする方法を教えてくれても、実践する気にはなれません。

2024年1月22日

読書状況 読み終わった [2024年1月22日]
カテゴリ 生物学

本書で一番共感を覚えることは、「まずお金を稼ぐために今の仕事を大切にして、社会やインフラを支えてくれる勤労者すべてに感謝しないといけない。」というフレーズである。

投資というといかに金融資産をうまく廻すかと言う話に陥りがちではあるが、本書では「頭脳資産」「経験資産」「金融資産」の3つに投資し、自己肯定感を得ることが本書の隠れたテーマである様だ。

しかしながら、結局『いかに賢く「頭脳資産」「経験資産」「金融資産」の3つを使い、ギリギリまで自分の可能性を拡げてお金そのものを稼いでいくか。』ということで最終的にお金を稼ぐことに着地するのは、どうも納得がいかないところではある。

2024年1月4日

読書状況 読み終わった [2024年1月4日]
カテゴリ 自己開発

世界を支配するものが儀礼秩序から帝国秩序にに移り、おおよそ900年前に商秩序が支配する世界が誕生した。商秩序は「心臓」を中心に「形態」をつくり出す。「心臓」「形態」は技術のイノベーションに従って場所を変えていく。当初西ヨーロッパにあった「心臓」は北米に移動していったが、現在ではアメリカも「形態」の維持を難しくしている。
現在のそして30年後の世界は商秩序の袋小路に陥ると伴に、3つの脅威に晒されている。アタリ氏は気候・超紛争・人工化だとする。3つの脅威に立ち向かうのは非常に困難だが、世界の急旋回する事で回避は可能だとする。ただし、時間は残されていない。
そのためには、皆が学び・予見し・行動することだと言うのが本書の結論ではある。本書の副題「
理解する/予測する/行動する/保護する」という部分になろう。

アタリ氏の論述は正鵠を射ていると思うのだが、やはり時間が足りないのではなかろうか。気候=環境問題にしてもこの後に及んでも二酸化炭素排出権を商売のネタにしているような世界である。それが30年後であるのか100年後であるのかは予測できないが、世界は壊滅的な事態に陥る事を経験するまでは急旋回できない。大型トラックが急ハンドルを切れないように、急旋回を切れないほど世界は大きくなりすぎたし、一部の賢明な人間が賢明に振る舞ってもその人たちが賢明に生きることができるほど単純な世界ではなくなっている。

とはいっても、今いる世界でバタバタもがくしかないと、本書を読了して再考させられている。

2024年1月6日

読書状況 読み終わった [2024年1月6日]
カテゴリ 社会科
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一枚の浮世絵、古文書に記されたちょっとした記述から想像をふくらませたプロットが見事である。
参考文献を読み込でみて、そこに書かれていないことはなかったとは言えないのである。表面に現れた姿の裏にあったかもしれない物語を描く。

そんな中で面白かったのは蔦重が結局口どけなかった木挽町の絵師、文洲。サラリーマンのごとく、クライアントや上司の顔色をうかがいながら働く奥絵師が自分の仕事の面白さを見いだしていき、重三郎の誘いを断るのである。表にでる絵師もいれば見えないところで黙々と仕事をする絵師もいるのである。

2024年1月16日

読書状況 読み終わった [2024年1月16日]
カテゴリ 小説

筆や墨に憧れるものの、どうも苦手にしている。それでも書についてはたまに作品展などに出かけることもあるし、NHKなどで講座なので技法や精神などを見聞きすることはある。翻って水墨画。寺院や博物館で古典的な軸や襖絵を見ることはあるし、水墨画で描かれた年賀状を目にすることはあるのだが、現在活きている作品として水墨画を意識することはなかった。

自分の心のなかのガラスの部屋から抜け出すことが出来ずにいる青山霜介。アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い、なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう。とんでもなく非現実的な話の展開に戸惑うが、謎は徐々に明かされていく。

湖山の孫娘、篠田千瑛、兄弟子となる西濱湖峰・斉藤湖栖、大学の友人古前・川岸、湖山の盟友藤堂翠山やその孫の茜。そうした人々と触れ合いながら霜介は水墨画に惹かれていく。その過程で読者も何故水墨画?という疑問が解消できていく。
やがて、湖山の描く姿のなかで霜介は自身のガラスの部屋で湖山が描いていることに気づく。命とは変化し続けるこの瞬間のこと。命のあるがままの美しさを見ることが美の祖型を見ることであり、水墨とはこの瞬間のための叡智であり、技法なのだ。自らの命や森羅万象の命そのものに触れようとする想いが絵に換わったもの。それが水墨画だ。

水墨の線が命を、自分の周りの人々をつなぎ、自分自身を描く。そして「誰かの幸福や思いが、窓から差し込む光のように僕の心の中に映り込んでいるからこそ、僕は幸福なのだ」と気づく。読者も物語を読み進める中で自分の幸福を気づくと思う。

作者は、水墨画家とのことだが、小説でも次作も期待したい。

2019年4月30日

読書状況 読み終わった [2019年4月30日]
カテゴリ 小説

ダーウィン論とはあるものの、むしろ著者の考える日本人的発想の進化論で、日本人なら納得しやすいのではなかろうか。

2023年12月28日

読書状況 読み終わった [2023年12月28日]
カテゴリ 生物学

シリーズ前作の「線は、僕を描く」で、続編が楽しみと書いたのが2019年。待ちわびました。読み始めは、前作との繋がりを探るようにゆっくりと、段々とスピードアップで、今回も一気読みでした。

悩める青年、霜介は大事なイベントの揮毫会で大失敗。
新しい表現、将来の進路と悩みが尽きない霜介に師匠の湖山は暫く筆を置けと命じる。

千瑛からの電話で駆けつけたTV番組の揮毫会
霜介の筆は壊れてしまい、湖山から使い込まれてボロボロになった筆を預けられる
兄弟子湖峰から頼まれた轟清水小学校での水墨画授業。その最後の授業の揮毫会
霜介の進路が見えてくる
ネットにアップされた小学校の揮毫会を受けて企画された大学学園祭での揮毫会
直前のアクシデントで霜介は右手に感覚を失う
師匠湖山引退式での揮毫会
「私たちは過去を守ってきたけれど、君は未来を描いていくんだな」

2023年12月24日

読書状況 読み終わった [2023年12月24日]
カテゴリ 小説

ダーウィンが多様な種がどのように生まれたのかを考察した「種の起源」で説いた進化論が、優生学やヨーロッパ人種を頂点とする人種差別の理論に利用されていき、優生政策やホロコーストにまでその理論根拠になっていく様を描いている。

進化を意味する英語の evolution という語は元来「内側に巻き込んでおいたものを外側に展開する」ことを意味しているようで、ダーウィンも初版ではこの言葉を使っていなかったようである。(今西錦司先生は種の起源は原著で読めと宣われている)自然科学と社会科学がまだ十分に分化していなかったダーウィンの時代、「種の起源」は自然科学のみではなく、社会、政治、思想といった分野に演繹されていく。進化は進歩、適者生存は生存競争に置き換えられ、自らの主張の根拠に「ダーウィン曰く」が使われるようになる。

進化論はもともと創造論のアンチテーゼとして述べられたものだと思うが、発表された「種の起源」は思想・政治的には人種にはもともとヒエラルキーが存在すると考える創造論者の側で活用され、ヒエラルキーの頂点にいる人種・民族がその優秀さを保つため、悪しき人種が交わることを許さず、駆逐すべしとされてしまった。

自然科学の知見が本来語っていることを、思想・政治の立場からあえて曲解し、自らの理論の足場にする行為は決してダーウィンの時代や近代の闇ではなく、現代でもしぶとく生き残っている手法である。いわゆる理科系人種も政治・思想の分野にも目を向け、自ら立脚する足場が崩されていくことが無いように注意を向けいていくべきであろう。

2023年11月27日

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カテゴリ 生物学

「台湾というとに日本から気軽にいける海外ということもあり、なんとなく親しみがあるのだが、アジアに対する理解に乏しい日本人の事であるので、台湾の歴史についてはヨーロッパの主要な国よりも良くはしらないと言うのが一般的ではなかろうか。日本の一部であった時期もある国であるのだが。

台湾にとって有史は17世紀オランダ東インド会社の統治からのようである。それ以前から勿論歴史はあったのだが記録されていないということだろう。本書も17世紀以降400年の台湾の歴史を政治的側面を中心に叙述されている。

オランダの統治から明朝の遺臣・鄭成功らの反抗拠点、明王朝の支配。日清戦争の結果として日本の植民地化を経て中華民国の支配下に至る。本書の主題は、大陸からやってきた中華民国政府の元で、以前からの台湾で生まれ育った本省人と後からやってきた外省人が対立しつつ台湾人としてのアイデンティティを形成していく過程を描いていくことであろう。

「四大族群」と呼ばれる台湾のエスニックグループが対立融合していくなかで、総選挙が行われ「初の台湾人総統」李登輝が選ばれる過程がつぶさに描かれ、そのなかでエスニックグループの意識の変化が語られている。
本書は、2001年に発刊されたものに、その後の四半世紀を補説として追記、現代の台湾にいたるまでの政治的背景が判る。

米中対立の中で、台湾は独立するのか、中華人民共和国に飲み込まれていくのか今後の台湾の行く末が気になるところである。」
台湾というとに日本から気軽にいける海外ということもあり、なんとなく親しみがあるのだが、アジアに対する理解に乏しい日本人の事であるので、台湾の歴史についてはヨーロッパの主要な国よりも良くはしらないと言うのが一般的ではなかろうか。日本の一部であった時期もある国であるのだが。

台湾にとって有史は17世紀オランダ東インド会社の統治からのようである。それ以前から勿論歴史はあったのだが記録されていないということだろう。口承、口伝と言ったものはあると思うので民俗学的なアプローチをすれば、もう漠然とした話にはなっても、もう少し歴史を遡れるようにも思うのだが、それは別の話。本書も17世紀以降400年の台湾の歴史を政治的側面を中心に叙述されている。

オランダの統治から明朝の遺臣・鄭成功らの反抗拠点、明王朝の支配。日清戦争の結果として日本の植民地化を経て中華民国の支配下に至る。本書の主題は、中華民国政府の元で以前からの台湾で生まれ育った本省人と後からやってきた外省人が対立しつつ台湾人としてのアイデンティティを形成していく過程を描いていくことであろう。

「四大族群」と呼ばれる台湾のエスニックグループが対立融合していくなかで、総選挙が行われ「初の台湾人総統」李登輝が選ばれる過程がつぶさに描かれ、そのなかでエスニックグループの意識の変化が語られている。

本書は、2001年に発刊されたものに、その後の四半世紀を補説ついて追記され、現代の台湾にいたるまでの政治的背景が判る。

米中対立の中で、台湾は独立するのか、中華人民共和国に飲み込まれていくのか今後の台湾の行く末が気になるところである。

2023年12月28日

読書状況 読み終わった [2023年12月28日]
カテゴリ 社会科

人は自分の意志で行動していると考えるが、情動に突き動かされて行動すると同時にそれを認知しているに過ぎない。情動は脳内や全身の様々な部位で生み出される物質によっておこる。
本書はこころが、脳だけに存在しているのでないことを教えてくれる。

2023年10月19日

読書状況 読み終わった [2023年10月19日]
カテゴリ

前半は単語家族説に基づく漢字の成り立ちのお話。
後半は今後の漢字教育の話。藤堂先生の編纂された漢和大字典、漢字源は蔵書していて漢字の碩学というイメージですが、後半では、漢字の使用は寧ろ抑制せよという話で、結構意外。
まず、異体字の類は意味は同じなので教えるのはひとつにする。やまとことばにできるものは、それに置きかえればよい。中国の簡体字は肯定的です。わたしも普段使いの文字はそれでよいと思うのである。難しい漢字は虚仮威しに使うためにあるのである。

2023年10月5日

読書状況 読み終わった [2023年10月5日]
カテゴリ 日本語・漢字

桜吹雪が目に入らぬかの遠山の金さん、名奉行遠山景元の実像を当時の資料に基づいて解き明かして行く。
その名奉行ぶりは、徳川家慶の裁判上覧に置いて、家慶から裁判ぶりを絶賞からも伺える。天保の改革において水野忠邦の方針に異を唱えても罷免されることがなかったのも将軍のお墨付きがあることが幸いしているのかもしれない。
天保の改革に対して、市中庶民の実情を勘案した施策を打つべきという考えは、金四郎ひとりの考えでなく、当時の町奉行全体に共通する考えであったことも、資料に基づき考察されている。

2023年9月28日

読書状況 読み終わった [2023年9月28日]
カテゴリ 日本近代史

読み物としては面白い本で、なるほどねと思うトピックス満載。
小説家というのはこんな事を考えて書いているのねと感心してしまうのである。
ここまで教えても良いのかと言うことになると、こんな事を知っているからといって小説がかける訳ではなく、また小説を書くのがうまくなる訳でもないので、ネタばらしはしても良いのである。
小説を書いてみたが、どうも自分で読んで見ても面白くない、なんていうヒトには参考になるかもです。

2023年6月14日

読書状況 読み終わった [2023年6月14日]
カテゴリ

主にチェプスト城という英国ウェールズ地方モンマスシャーにある中世城塞の遺構と資料を使って中世ヨーロッパの城と城を治める領主やその家族、配下の騎士や領民たちの生活を描いている。
タイトルにある中世ヨーロッパの城の生活と主としてイギリス、フランス北部の城砦の興亡について総括的に描いており、入門書としては良いと思う。
ただ、内容的には歴史書や小説・映画なので見聞きしているヨーロッパの城のイメージから大きく外れるモノではなく、そうなんだという新たな発見というのは見当たらず、少々喰いたらないところである

北は仙台から南は那覇まで、江戸時代までに成立した都市の成り立ちや盛衰を記述。都市を主眼に置いて歴史を記述するという着眼点は面白い。
知らなかったという事柄も随所に見られた。
扱っている都市の数が多いので、通り一遍の解説に終わってしまっているように感じる。もう少し数を絞って独自の都市論を展開して欲しかった。

2023年8月21日

読書状況 読み終わった [2023年8月21日]
カテゴリ 日本史

アフリカは暗黒大陸で近年まで未開のエリアというようなイメージを描きがちではあるが、ヨーロッパやアジア諸国同様、いろんな王国、帝国が興亡を繰り返し、地域独特の文化を育んできたことがわかる本である。

黒人奴隷というのも、単純にヨーロッパ敵国がアフリカの人々を浚って行ったのではなく、アフリカの列強が商品として奴隷を輸出していたと言う事もよく判る。

著者独特の語り口で読み物として面白い本だが、たんなる読み物ではなく、著者自身が描いたスケッチや詳細な図版が随所に挿入されており、本格的な歴史書になっている。フィールドワークで何度も現地を踏査している文化人類学者だから書けたものであろう。
また、ヨーロッパ史観で、文字に残された資料で歴史を見るのではなく、フィールドワークを積み重ねて構築する文化人類学のアプローチで描かれねばならない歴史があることも本書は教えてくれる。

著者没後10年で、原著は1977年に発刊されたものだそうだが、未だにアフリカの歴史を扱った書籍はあまりないので、その価値は未だに色あせないだろう。

2023年8月19日

読書状況 読み終わった [2023年8月19日]
カテゴリ 歴史

「ちょっとやさしめ」とあるとおり習い始めレベルの英語ではあるのだが、やってみると結構しっかりとは覚えていない、理解していないコトが多い。本来的にはお子様向けのテキストだと思うが、中途半端に英語を勉強してきた大人にもほどよいテキストである。
クイズ形式なので楽しみながら基礎英語のおさらいができます。

2023年7月15日

読書状況 読み終わった [2023年7月15日]
カテゴリ 自己開発

前書『生物はなぜ死ぬのか』にて、「死は進化に必要である」とした著者は、本書にて「老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれた」と結論づけています。
「死」はすべての生物に共通した絶対的なものであるのに対し、「老い」はヒト以外の生物にはほとんど見られない現象であるらしい。生物が持つ全ての性質は、進化の結果できたと考えられるので、ヒトに特有の「老い」にも生物学的な意味があるはずである。本書では、様々な生物との比較のなかで、ヒトにしかない「老い」の正体を考察する。さらに本書がユニークなのは、生物学的な視点からの「老い」の意味を踏まえて、私たち人にだけ与えられた「長い老後」をどう過ごせば良いかのシニア論になっていることであります。
「老い」の意味を考え、それと向かうあう楽しみを考える本です。

2023年7月22日

読書状況 読み終わった [2023年7月22日]

いくつかの公立図書館の活動活動と、特定の利用者対象としたサービスを採り上げ、その図書館の当事者がそれぞれの活動状況を報告する。
「ささえあう」をキーワードに、図書館と市民・利用者との関係、その中で図書館のはたす役割、両者の在り方を考えるヒントを与えてくれる。
編者はこれらの活動事例を通して、「図書館が『社会装置』として機能するための新たなモデルとしての役割を果たし得る」とする。
本書は三部構成となり、利用者が支える図書館(恵庭市立図書館、海士町中央図書館、エル・ライブラリー)、利用者を支える図書館(島根県立図書館、中之島図書館、ビズコリ、図書館利用にバリアがあるひと人に対する図書館サービス(日本点字図書館、患者図書館、矯正施設へのサービス、被災地での移動図書館の三つの観点から新たなモデルとなる図書館を紹介している。

2023年2月6日

読書状況 読み終わった [2023年2月6日]
カテゴリ 図書館

「仕事と人生に効く」と号されているが、紅茶を中心としてお茶という飲み物について広く著述されているかなり力の入った本である。トム・スタンデージという人が「世界を変えた6つの飲み物』という本を書いていて、紅茶が大英帝国の対外政策に大きな影響を与え、アメリカ合衆国の独立、中国の古代文明の衰退、インドにおける茶の大規模生産体制の確立につながったとする。
本書では、飲み物としての茶が先ずは中国で確立し、日本では茶の湯に発展、イギリスのアフタヌーンティは日本の茶の湯への憧れから発展していったとする。そんな中国茶~日本茶~茶の湯そして紅茶という流れの概説に続き、ヨーロッパでの紅茶文化について語られている。特に、イギリスでの茶については色んな本で書かれているので、本書ではフランス、ドイツ、ロシアといった国々での茶文化にも触れられており、そのあたりは特に面白く読み進めることができた。
こうした教養としての茶のAtoZ式の知識のあとは、仕事や日常生活を彩るお茶の効用を紹介し、最後はビジネスシーンで使える紅茶のマナーについて書かれている。
これ一冊読めばお茶全般身につくというものである身につくというものである。相当の分量はあるが、読了すればかなりの知見がえられるのである。

ただ、扱っている範囲が幅広いこともあり、また教養としての紅茶と銘打っていることを鑑みると、細かいところではもう少し緻密な書き方をしていただきたいと思うところもある。

まあ、ビジネスマナーと言うことでは、本書でも書いてある通り先ずは実践であるので、本書の知識を元にして場数を踏むしかないと思のですが、仕事にこだわらず気軽にお茶を愉しむにも知っておいて良い知識は満載されているので紅茶好きの方々にはお奨めの一冊である。

2023年1月31日

読書状況 読み終わった [2023年1月31日]

図書館司書の研修会で使われた教材等を中心に伊藤昭治氏の 著述をまとめたもの。
公立図書館の役割、そこで活動する司書や図書館長の役割、レファレンス業務のあり方等を述べている。

今の図書館は住民の読みたい本を集めてくる窓口であり、そにために予約制度が重視される。
住民の求めるどんな資料でも提供しなければならない。そのために他の図書館の所蔵している図書も相互貸借で提供する。知る自由を保証する。
資料構成は住民のニーズを反映したものでなければならない。蔵書の良し悪しは貸出冊数になってあらわれる。
悪書良書を決めるには図書館ではない。
施設は住民が気軽に使えるものにする。静けさではなく、誰でも利用できる雰囲気づくりが大事。

気になった話
蔵書の回転率や資料別の利用回数、全然貸出のない図書率、NDC百分率ごとの蔵書冊数割合等々客観的なデータに基づき蔵書構成を決めることが大事。
ビジネスライブラリーの取り組み

紹介されている図書館
茨木中央図書館
ボルチモア郡立図書館

現在の図書館は、本書で書かれている図書館から、さらにもう一歩前に進める必要があると思うが、市町村立図書館の役割は何かを再確認させていただける本でした。

2023年1月24日

読書状況 読み終わった [2023年1月24日]
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NHKの「その時歴史は動いた」を題材に日本史で定説と思われていることが、現在の研究ではどのようにアップデートされているがかかれています。けっして番組の批判ではないことは書かれていますが、やはり批判的に読めてしまいます。
歴史にシナリオはないというのが著者の主張であると思われますし、わたしも全く同感でありますが、番組にはシナリオがあることを斟酌した書き方になるように工夫うされたほうが読者の腑に落ちやすいかなあと感じました。
当然ながら、近代に近づくとともに批判的な記述が減ってくるのは、やはり文献が豊富にあって番組も作りやすかったのだと思ったりします。

2023年1月15日

読書状況 読み終わった [2023年1月15日]

SFで描かれた世界が、そろそろ現実になるのではないかと感じさせる書籍。
技術的に可能になることと、それが実現するかは別の話。何と今こんな時代でもロシアがウクライナに侵攻するのである。進歩しているようで進歩できない人類である。

2023年1月15日

読書状況 読み終わった [2023年1月15日]
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