文章表現の仕方が好みだったけれども、どこかこなれない印象あり。
それはさておき、
「サーチエンジン・システムクラッシュ」という題名について考えたい。
サーチエンジンは検索したい語について、可能な限りの情報を私たちに提供してくれる。
男には知りたいことがある。
その情報を知るために男は検索をかけ始める。
しかし、検索する語自体が誤っているかもしれない。
また題名通りに、そのシステムそのものも壊れているのであった。
男は、二重の不可能性の上に立ちながら、池袋(=ネット)を放浪する。
気になったことがある。
目的からは無限に遠ざかっていくのにも関わらず、男にはあまり焦りが見られないようなのだ。
ネットにおいて、情報の海をただ横滑りしていく私たちのあり方もまた同じなのかもしれない。
本当は焦りを感じるべきか否かは私には分からない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年1月15日
- 読了日 : 2012年1月14日
- 本棚登録日 : 2012年1月14日
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