さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

著者 :
  • イースト・プレス (2016年6月17日発売)
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本棚登録 : 1522
感想 : 149
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タイトルは結構衝撃的ですが、描いてある内容はまじめだと思います。
摂食障害とうつ症状について、これまで読んできたどの本よりも、自分が感じているものと一番近いことが書かれていました。
拒食のころの心情。「自分がボロボロになっていき、傷つくことで何かが免除され、人が人を承認するハードルが下が」ると思っていた。その通り。実際は全くそんなことはないのに。
拒食は過食に転じる。自分でどうにもできない過食衝動がきて、仕事中でも食べずにはいられない。カップ麺をそのまま食べる。こんにゃくを常備。
わかる。わかりすぎます。
うつ状態の時の描写も、まんまでした。
何も考えられない。頭の中身がぽろぽろこぼれるようで文章が読めない。何も考えられなくなる。
『うつヌケ』という本では、脳みそが寒天に覆われている感じ、というような表現がありましたが、そんな感じ。何も頭に入らない。
そして話は性に関することのにも及ぶのですが。
綺麗な線画と、丁寧な心理描写が相まって、とてもきちんとした内容だな、と思いました。誰かにぎゅっとしてほしい。愛情がほしい。読んでいて泣きそうになりました。
毎日きちんと自立して生活している、心身ともに健全な人たちから見たら、ともすれば甘えているだけと思われてしまうかもしれませんが、でもそうではない、と私は思います。まあ、他人になることはできないので、本当に他人と比べてどうなのか、甘えてるだけなのか、というのは一生分からないですが、でもそう思います。「過食をしている人」は、ああ見えてめちゃくちゃ苦しい、というのは本当です。なぜこんなことしているのか。自分を痛めつけているのか。本当に自分でもわからない。同じ思いをしている人がいること、その気持ちをきちんと書いてくれている人がいて、本当によかった。
この作者が偉いのは、どう考えても死ぬしかない、という状況になった時、「なにくそ!!」と思ってあがいたことです。そのおかげでこの本が出版されているのですから。私は「なにくそ」と思えていないので、全然直っていないし、しかも作者と比べてだいぶ年を取っているので、本当に駄目だなあと思いますが。でも少しだけ、勇気をもらえて頑張ろうと思えました。
作者が本当に伝えたかった部分とは違うところのレビューになってしまったかと思うし、長くて気持ち悪いですが、とりあえず今は感想を書きたいので書きました。落ち着いたら書き直す。たぶん。

他の人のレビューが本当に素晴らしい。評価の高いレビューも低いレビューも、いろんな面からの意見があって考えさせられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミックエッセイ
感想投稿日 : 2017年10月10日
読了日 : 2017年10月10日
本棚登録日 : 2017年10月10日

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