カート・ヴォネガットという作家への愛が詰まった一冊。
自分が読んでいるヴォネガット作品は小説のみなので、インタビューを集めた章では自分の知らなかった作家本人の姿が垣間見ることができた。
ちょっとショックだったのが、アメリカで発売されたばかりらしい(この作家ガイドの当時)ヴォネガットの伝記のレビュー。伝記の執筆者が執筆のためにインタビューをし始め、信頼関係を築き上げようとした矢先にヴォネガット本人がなくなてしまったらしいが、膨大な手紙や知人の話を聞いて書き上げたというその人物像は、なかなかに絶望に満ちたものだったらしい。インタビューのときのユーモアを欠かさない語り口とは対照的で、ぜひともその伝記を読んでみたいと思った。
ヴォネガットゆかりの場所をまとめた地図は素敵。
巻末近くに国内外合わせた論文などの資料一覧があり、卒論などでこの作家にまつわる文章を書くときには大いに役立ちそう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月15日
- 読了日 : 2013年5月3日
- 本棚登録日 : 2013年5月3日
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