岩手県釜崎市、市民スポーツ課職員の奥寺浩子は女子ラグビーのトップ選手だった経験を買われ、岩手県代表の女子ラグビーセブンズチーム「岩手ブロッサム」の監督に就任する。しかし、東日本大震災で失った希望を県民に取り戻すため、目前に迫った岩手国体で優勝することを目標に選手の育成に励んでいたが、チームはまとまらず選手は次々と辞めていった。浩子は、選手集めに奔走しながらも、残った選手たちにハードな練習を課す。あまりの過酷さに浩子に対する不満は募るばかりだった。そんな中、浩子の妹の泉がブロッサムに加入するが、これまでの泉のチームへの言動に対して選手たちから大きな反感を買う。浩子にとって、何としても国体優勝を勝ち取るためには泉の力が必要だった。大会が近づくにに連れ、練習のハードさは増していく。選手たちは限界だった。そして、いよいよ国体が開幕する。女子ラグビーとはいえ、男子にも負けないスピード感や迫力をもって勝負に挑む選手たちの姿に感動を覚える。泥にまみれ、タックルを受け、満身創痍になりながらも、なぜ戦い続けるのか。「ラグビーが好きだから」。強き女性たちのラグビーに賭ける熱い情熱に心が溶かされます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
スポーツ小説
- 感想投稿日 : 2019年6月4日
- 読了日 : 2019年6月4日
- 本棚登録日 : 2019年5月30日
みんなの感想をみる