あなたに似た人 新訳版 (1) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2013年5月10日発売)
3.35
  • (23)
  • (85)
  • (119)
  • (18)
  • (12)
本棚登録 : 1883
感想 : 106
4

普通のミステリとは全然違います。翻訳だから文章も日本の小説とは違ってまた良し。
中でも良かったのが、「皮膚」容赦ない残酷さ。貧しく今日食べるものにも困るような老いさらばえた老人。彼が彫り師として活力に溢れ輝いていた日々、若き画家に惚れ込み背中一面に自分の妻の肖像を刺青として残してもらった。それは自分の誇り、喜び、生きる希望。年月は過ぎ歳をとり何の楽しみもない未来もないあるのは空腹だけ。そこへ大金と名誉を得るチャンスが来たが…

「首」ハラハラドキドキ。絶対に事が起こる…と思うけど起きない。ホッとすると同時に、現実はそうだよな、と思う。「ギャロッピング・フォックスリー」もかな。
あと思ったのが、著者、ハンサムな男絶対嫌いですよね。そういうところも可笑しくて、楽しく読みました。長くなってすみません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月3日
読了日 : 2023年3月7日
本棚登録日 : 2020年9月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする