小西行長 (学研M文庫 も 2-6)

  • 学研プラス (2010年4月13日発売)
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本棚登録 : 29
感想 : 5
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「小西行長について知りたいので、とりあえず……」
とお考えの方にこの本はお薦めしたくありません。

著者は「実証歴史作家」を自任しているとわざわざ前記から主張しているので、そのレベルとしては★0~1。
そうでなかったら、出版してくれたことに感謝して★2~3ってとこでしょうか。

「実証」?
あることについて複数の説があるにもかかわらず、ひとつの説だけを取り上げて、唯一の史実であるかのごとく述べる。
「史料にはこう書かれているが、実は違う。こうである」と完全否定しておいてその根拠は示さない。
などなど。
小西行長に興味を持って1年足らずの私でも、素直にうなずけない点がたくさん。

「作家」?
小説と呼べるほどの創作性、面白味も無い。
特別オリジナリティも感じられないどころか、その表現はあの本で見ましたよ?
更に言葉選びすらも、たとえば秀家のことを『宇喜多の御曹司』と呼んだり。わざわざそんな語弊のある単語を選ぶ意味がわからない。

何より、行長を持ち上げたり蔑んだりの差が激しく、著者の一貫した小西行長像が伝わってこない。
その都度、その章で参照した史料をコピペしているだけのような印象。
史料を集めたはいいけれど独自の解釈をできるほど理解できてないのかな。

素人の私には初耳の資料もあったので、今後の参考にはさせていただきます。
いっそのこと、集めた史料のリストとそれぞれの概要だけまとめて、『小西行長史料索引』として作ってくれていたら★★★★★だったかも?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 戦国時代
感想投稿日 : 2010年7月29日
読了日 : 2010年7月
本棚登録日 : 2010年7月29日

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