3人の対談形式で、何か明確なまとめや結論といったものに至るものではないけど、対談の20年のちの現在においても、世界の中での日本を考える上でいろいろな手がかりを与えてくれる。
西洋哲学とは異なり概念的な体系思想を構築することのなかった日本の思想。形而上的なものを言葉で移し替えを行った西洋に対し、お茶、花、和歌といった具体の技術や造形に結び付ける形で思想を高めてきた。
また自我と物質の二元論に対し、主客合一、境界と境界のあいだ、中間の追求を図ってきたのがある意味で日本の哲学であったか。
仏教、神道、西洋哲学への深い造詣からこうした議論が展開され、なかなかついていくのも大変だけど、何かのとっかかりが得られる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2020年7月4日
- 読了日 : 2020年7月1日
- 本棚登録日 : 2020年7月4日
みんなの感想をみる