殺人、クスリ、女と警察をはじめとする国家が関与しないインモラルな街イタギリで死体回収屋の少年晴史(はるふみ)が物売りで似顔絵描きの少女シズクと仲を深めていく物語。作者の坊木椎哉の博識さが文章から見て取れる。また、ワードセンスも彼特有のものを感じさせる(「珊瑚色の唇からこぼれたのは、落ち着いた調子のソプラノだった」など)。泥水を啜りながらも懸命に足掻き生きる主人公を見たい人は読みとよいでしょう。
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- 感想投稿日 : 2024年4月28日
- 読了日 : 2024年4月28日
- 本棚登録日 : 2024年4月8日
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