恋に悩む4人の大人に、そっと寄り添う神様の物語。
4人に共通しているのは、近くに神様がいるのに自分の願いを言わないこと(実際言っても叶えられない神様だけど)、そしていつも誰かの幸せを願っていること。
そんな優しい人たちだからこそ、神様が助けてくれたのかもしれない(実際は何もしてないけど)。
「お嬢のダシでござるな。味に深みが出るのと同じで、痛みというのは人間に深みを与える。痛みを知ればこそ強くも優しくもなれるでござる」
「体を隠すために服を着るように、本心を隠すためにアレやコレと身に纏って。大人と呼ばれる年になった今では随分と厚着をして、すっかり身動きが取りづらくなってしまいました」
体温を保つため、一定の関係や社会の調和を保つため、丸裸ではいられない僕らは自分に合ったものを着込んで生きていく。上手な人もいれば下手な人もいる。厚着の人や薄着の人。派手な人や地味な人。僕は乏しい重ね着テクニックを駆使して明日も会社に出勤するのだ。
そんなに叩かないと渡れない橋なら飛び越えてしまえばいい。足元を見る勇気が無いなら前だけ見てればいい。後戻りができないできないのなら進むしか道はないだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
メディアワークス
- 感想投稿日 : 2017年3月26日
- 読了日 : 2017年3月26日
- 本棚登録日 : 2017年3月26日
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