プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

4.02
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本棚登録 : 2482
レビュー : 297
hasesansさん  未設定  読み終わった 

ふたごは、ひょんなきっかけから生きる道を別ち、それぞれ動と静ともいうべき、真逆の人生を送った。
立つ舞台は遠く違えど、ふたりは星を通じて繋がっていて、それぞれが自分の役割ないし幸福を見つけた。

タットルがテンペルのふりをして、罪の重さに耐えかねて憔悴した栓ぬきに「ぼくはね、水になるんだ」と秘密の話を持ちかけるシーンが本当に好きすぎる。ここに至るまで、残酷な描写もあったけど、いしいしんじさんの使い選ぶ言葉は絶対にそこで不快感を感じさせなくて、どこか神話のようで、きれいで。

テンペルサイド・タットルサイドの人生が描かれている間、私はそれぞれサーカスの一員または観客・村人になったような感覚に陥った。「だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう」って一節が本文の中にあるけれど、小説を読む行為もある意味、だまされることだなあと。映画とか、創作作品もそう。
だます才覚とだまされる才覚、そしてお互いがその態度を受け入れ許し合う空気ってのには双方にやさしさやしあわせが内包されているんだなあとか思ったり。どっちの才覚も大事にしたいなあと思いました。
とにかく何が言いたいかっていうと、大事な本になりました。また読み返したい。

レビュー投稿日
2014年9月28日
読了日
2014年9月28日
本棚登録日
2014年9月28日
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