助左衛門四代記 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1965年9月6日発売)
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5

普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。
250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹がしっかりと伝わってくるの、名人芸すぎる。どうしてもあたたかく締めくくりたくなりそうなものだけど、残酷なまでに客観的で寂寥感あるラストに、より強く情緒を感じた。
旧日本式な嫁の忍従は、今では消え去るべきものとして社会が動いていて、わたしも夫、ましてや家に仕えるなんてまっぴらごめんだ。だけど、長男第一の社会で、置かれた場所に辛抱強く根を張り、一本自分の芯を通す女たちの生き方は、すごく気高く、美しく感じた。そういう美徳は、残していけたらよいのだけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2025年2月10日
読了日 : 2025年2月10日
本棚登録日 : 2025年2月10日

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コメント 4件

111108さんのコメント
2025/02/11

ロッキーさん♪

こちらもおじゃまします。『紀の川』ほど有名じゃないのか?私は知りませんでした。250年をぎゅっと描いたのに一人一人の息吹を感じるという、有吉佐和子さんの世界を堪能したい‼︎

ロッキーさんのコメント
2025/02/12

111108さん 
コメントありがとうございます!
わたしもこの作品知らず、図書館でたまたま見かけて読んだのですが、『紀ノ川』好きにはめちゃおすすめです!
あの「〜のし」って方言も出てきますよ〜

111108さんのコメント
2025/02/13

さっそく図書館予約入れました。「〜のし」楽しみです♪

ロッキーさんのコメント
2025/02/13

おー早速!!とっても嬉しいです!感想楽しみにしています!

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