普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。
250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹がしっかりと伝わってくるの、名人芸すぎる。どうしてもあたたかく締めくくりたくなりそうなものだけど、残酷なまでに客観的で寂寥感あるラストに、より強く情緒を感じた。
旧日本式な嫁の忍従は、今では消え去るべきものとして社会が動いていて、わたしも夫、ましてや家に仕えるなんてまっぴらごめんだ。だけど、長男第一の社会で、置かれた場所に辛抱強く根を張り、一本自分の芯を通す女たちの生き方は、すごく気高く、美しく感じた。そういう美徳は、残していけたらよいのだけど。
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- 感想投稿日 : 2025年2月10日
- 読了日 : 2025年2月10日
- 本棚登録日 : 2025年2月10日
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コメント 4件
111108さんのコメント
2025/02/11
ロッキーさんのコメント
2025/02/12
111108さんのコメント
2025/02/13
ロッキーさんのコメント
2025/02/13