京の路地裏 (岩波現代文庫 文芸 107)

著者 :
  • 岩波書店 (2006年8月17日発売)
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感想 : 4
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底本出版が1978年なので、いささか内容は古いが、明治生まれの人が書いた京都エッセイということで興味深く読んだ。幼少時住んでいた西洞院五条を「下町」と呼び、市電にいたずらする話や、けちだが見栄もはる京都人の話は面白かった。俗説だと思うが、「ぶぶ漬け」の話も登場する。こんな古くから語られていたとは驚いた。舞妓との恋物語の近松秋江の小説「黒髪」も読んでみたくなった。主人公がひどい目に遭うようだが。

京都の名店紹介は今とあまり変わらない。
【そば】河道屋晦庵、尾張屋、南座近くの松葉、木屋町蛸薬師の大黒屋
【湯豆腐】森嘉、南禅寺の奥丹、清水寺音羽の滝横の茶店
【その他】すっぽんの大市、祇園富永町の浜作、いもぼう、三十三間堂近くのわらじやの鰻雑炊、海宝寺の普茶料理、瓢亭の朝がゆ千枚漬け、すぐき、柴漬け、長岡京の筍

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 京都
感想投稿日 : 2017年1月6日
読了日 : 2017年1月6日
本棚登録日 : 2017年1月6日

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