旧制高校時代から始まる、13年間の北杜夫と辻邦生の往復書簡。大学の下宿先から、航海する船上から、パリからと拠点を変えながら、二人は文学について語り合い、互いの作品を喜び批評し合い、励ましを送る。留年した辻を案ずる北の手紙、航海から戻りスランプに陥った北への辻の心遣い、辻の原稿を出版社へ持ち込み埴谷雄高を紹介する北。離れていても互いを思う気持ちがひしひしと伝わってくる。北杜夫の持つ詩情への辻邦生の理解ある言葉を興味深く読む。二人の友情に触れて、私も遠方の友人に手紙なぞ書きたくなった。
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- 感想投稿日 : 2014年1月28日
- 読了日 : 2014年1月29日
- 本棚登録日 : 2014年1月28日
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