火と水と風による、染織についての随筆。日本に伝わる正倉院裂や法隆寺裂、能装束、公家装束、陣羽織、袈裟などの古い染織から、イラン、トルコの織物や韓国の刺繍等に触れ、美の内奥を巡る旅が綴られる。1日に数ミリしか織れないザリ・バフィの絢爛たる美しさ。これを織る空引機は、かつて西陣にもあったと云う。遠くシルクロードを渡り、玉響のように日本へ齎された、膨大な染織品と、その技法。正倉院裂は、絢爛たる美しさである。当時はどれだけの人を魅了し、異国への憧れを掻き立てただろうか。豊潤な旅に触れ、濃密な至福の時をあじわった。
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- 感想投稿日 : 2014年1月28日
- 読了日 : 2014年1月29日
- 本棚登録日 : 2014年1月28日
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