江戸川乱歩の生涯とその時代背景をまとめた本。職業を転々としまくった事で有名ではあるけれど、それもちゃんと繋がってる(逆に繋がってよかったのかもしれない)。それに自滅型ではないみたいだし(いえ無頼派の誰かさんの話ではないのです)。
 乱歩の作品はエログロか探偵モノのどちらかで括られることが多いし、どうしてもグロ注意だよとか言ってしまうことが多いけど、ありそうでなかった切り口をブレず(放浪したり休止したりしながらも)書き続けたのは、「書くことが好き」だからなんだと改めて思った。

2022年2月6日

読書状況 読み終わった [2022年2月6日]
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 本編未読の方はこちらを先に読んだ方がよい(解説を先に読んでしまった人より)。
 バトン小説のトップバッターで、土台がしっかり考えられているけど、ちゃんと他の解釈の余地も残されている。でもやっぱり江戸川乱歩独特のエログロさは譲れない感じ。

2021年8月8日

読書状況 読み終わった [2021年8月8日]
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 リレー小説の一番手とのこと。いや流石江戸川乱歩!って思うくらいにやばい世界だった。自身の解説も読むと、こだわってるなと思ってしまう。この続きは本として出ている様なので、探してみようと思う。

2021年8月8日

読書状況 読み終わった [2021年8月8日]
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 人と人の縁を繋ぐ、えにし屋とその客人たちの物語2編。
 1つ目はまるでシェイクスピアの喜劇的展開。おまいちゃんの成長がめざましいし、自分を大切にできてよかった……。対して2つ目は人間のダークなところが多い。お初や老人の正体や過去も1つ目からは想像出来ない。孝子様が一番怖くて、ドキドキした。でもそうなってしまった悲しい過去なんだよなあ……。

2021年6月13日

読書状況 読み終わった [2021年6月13日]
カテゴリ 2021年

 新刊で見つけて「やったー!続きだ!!」と思いながらなかなか読めずやっと読了。全てが繋がるとあなたもですか状態。前回同様、悪魔は誰なんだ、誰が敵なんだってなる。
 俄かに信じてなかったけど、やっぱりそういうことなんですよね?信じてますよ?

2021年10月23日

読書状況 読み終わった [2021年10月23日]
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 江戸川乱歩のパノラマ島奇譚を思い出させる様。。。芸術に対する理論、信念はあっても、自分は出来ないから……と逃げている嫌なやつだなあと思ったところがあった。最後まで自己満足の塊で終わった感があるし、どんな理論かかげても世間は狂った人にしか見えないだろうなあ。

2021年5月8日

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読書状況 読み終わった [2021年5月8日]
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 今回は人の身勝手さが少し濃い話が多かった感。生き神様()だったり、山のヌシだったり、わたぼうしだったり。でもそこにはどうしても抗えないものもある。特に最後の話は分かっているけれど。。。が強すぎて、あの結末は客観的に見たら避けられたコトであったけれど、まだいい方だったんだろうなと思う。

2021年4月25日

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読書状況 読み終わった [2021年4月24日]
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 期間限定無料だったので、これを機に読むことに。どれも不思議な話で、少し怖い。角の話は全てがわかると、お母さんの優しさが分かりすぎて。。。旅する沼も救いがあってよかった。

2021年4月25日

読書状況 読み終わった [2021年4月24日]
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 化生あり、人間の黒々とした感情ありありのいろんな意味でホラー。バラバラだったものが繋がると、ますます怖い。美人を次々と食い殺す<千貫文>を巡る物語がまさかここまで複雑とは……そして一番普通そうだと思ってた姉姫が一番やばすぎた(いや出会いの時点で既におかしかったのだが)。好きだという感情が強かった姉姫を贄に願いが届けられたってことなのかな?

2021年5月2日

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読書状況 読み終わった [2021年5月2日]
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 九州の方で実際にあった事件や出来事を雑記したものらしい。人間の生々しいところもあったり、怖いところもあったり……。今でもありませんか、こんな出来事?
 1つ1つは短いけど、総量は重い

2020年10月18日

読書状況 読み終わった [2020年10月18日]
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 じわじわくる怖い話。最初まさか……と違う方を考えていたけど、そっちじゃなかった。。。あの子のそのあと幸せに生きれると良いのだけど。。。

2020年10月15日

読書状況 読み終わった [2020年10月15日]
カテゴリ 2020年

 本当の<悪魔>は誰なんだ。
 悪魔の五芒星が描かれた連続殺人事件に様々な人物たちの思惑が交差する。人間の暗部が多めのダークな感じなので、序盤しんどかった。
 阿久津さんの言動に最初は怪しんでいたけど、真相を知ると「阿久津さんんんn」とこっちまで涙出そうになる。あの涙は嘘じゃないと思いたい。
 ところで大黒さん、ほんと何者。

2020年10月10日

読書状況 読み終わった [2020年10月10日]
カテゴリ 2020年

 江戸川乱歩好きにはいいかもしれない。

 大学時代は図書館に春陽堂の江戸川乱歩文庫(表紙がめちゃくちゃホラーでエログロなやつ)がほぼ全部あったので、それを読み漁っていた時期もあったけど、卒業してからは地元の図書館に乱歩がほぼなく、そこからは疎遠に。なので、大半が今回読んでいてだんだんにストーリーを思い出すという体たらく。手持ちに新潮文庫の傑作選はあるけどね。
 
 江戸川乱歩自身にまつわる言葉だったり、小説に出てくる言葉だったり、はたまた実写化ドラマやアニメ作品、二次創作だったり。最近出た本なのに「文豪とアルケミスト」が入ってないのはおかしいですねえ……(ひいき目
 意外にも(と言ったら失礼だが)書けない事が多かった作家であり、やっぱり趣味的にはそいう方面だったかと妙な納得。自分のものを集めまくっていたのは気持ち的に分からなくもないけど、すごすぎる。
 そしてやっぱり江戸川乱歩は人に薦めるのに選ぶなあと思った良くも悪くも。

2020年9月21日

読書状況 読み終わった [2020年9月21日]
カテゴリ 2020年

落とし物の手帳に書かれていた内容が主。最初は悩める人が飲んだくれてたのかなーと思ったけど、だんだん終わりに近づくにつれて、悲しい人に思えてきた。

2020年7月18日

読書状況 読み終わった [2020年7月18日]
カテゴリ 2020年

 大学以来の再読。この手洗いうがいが喚起されている中、そして季節柄海の生き物を見たりする機会が増えるこのタイミングで読んでしまった……。でも気になって……。
 神狩屋が普通そうで、尋常ではないことがよく分かる回。過去にしか希望がなく、人魚姫に縛られ、一生会うことも叶わない。名前が神を狩るっていうのも納得する。
 途中、もしかしてお母さんが……?と思ってしまったけど、果たして?
 蒼衣は相変わらず優しい。

 しかしまあ……この手洗いうがいのこのご時世に、手を洗っていたら……とか洗い物してたら……とか、少し恐怖が続きそう。

2020年6月5日

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読書状況 読み終わった
カテゴリ 2013年以前

 大学くらい以来の再読。手洗いうがいが喚起されているこのタイミングで読んでしまった……。知ってたのに読んでしまった……。
 神狩屋の過去が若い者同士とはいえ感情的だなって思ってしまう。自分自身のこととはいえ、いつもと違うんだよなあー。
 泡の恐怖の連鎖反応はどうなるのか……。

2020年6月4日

読書状況 読み終わった
カテゴリ 2013年以前

 実質再読。高校くらい以来。これも、いらないからともらった本。
 魔女の連鎖とは……。最初は本当に怨嗟的なストーカー的なものだったと思うし、あの女性で終わっていたかもしれない最悪な物語。委員長が潔癖すぎて、そういうところも嫌に思っていたのかもしれないし、その優しさに影響を受けての雪乃の行動だったと思う。
 蒼衣くんの雪乃への気持ちの向け方も大変だ……。ボーッと生きているように見えて、とんでもな爆弾抱えてる。お人好しゆえも少なからずあると思うが。

2020年6月2日

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読書状況 読み終わった
カテゴリ 2013年以前

 実質再読。いらなくなったからともらった本。
 童話を元に起こる悪夢のような出来事。みんなそれぞれに痛みがあって、その痛みを抱えながら生きている。これ以上の痛みを増やさないために。
 ユング、フロイト関係の心理学は専門ではなかったものの、多少はやっていたので、イメージや連想の解釈は前より楽しめた。話し出すと止まらないよね分かる。
 眞衣子の境遇は難しい事案だと今になっても思う。それでも蒼衣の存在は大きかったかなー……。
 少し先までは昔読んだことあるので、神狩屋の過去についての言及は少しどころじゃなくやべーだろと思ってる。

2020年5月26日

読書状況 読み終わった
カテゴリ 2013年以前

 語り口が飄々としているので、怖さが薄らいでいるけど、やっぱり怖い話。魔法の言葉「わんかぷ、てんせんす、かみんかみん」に本当に救われてるけど、今だったらどうなっていたことか……。今あったら……いやはやどうなんでしょう。
 ノスタルジーを「野垂れ死に」と当てるのは的を得ているのかも……?!

2020年5月13日

読書状況 読み終わった [2020年5月13日]
カテゴリ 2020年

 図書館が閉まっているので取り急ぎibooksで読むことに。某文豪アニメの影響です。
 北原白秋の序から既にすごい。そして萩原朔太郎の序もまた言葉が綺麗。中の詩は序とはうって変わって、ダークな雰囲気が多かったり、<生>を主題にしたものもあったりで、グサグサとくるものがある。
「さびしい情慾」は他とは違う感じだった。最後の文章を読むとさらに深みが増す。

「竹」の「りんりんと」っていう表現と、「ばくてりやの世界」が個人的にはツボ。
挿画も含めて見たいので、今は紙の本がただ恋しき……。丸善行くしか。

2020年5月13日

読書状況 読み終わった [2020年5月13日]
カテゴリ 2020年

現実なのか夢なのか……。お辻さんは分かっていたのかもしれない。シューベルトの「魔王」ではないけれど、死神のような薬屋の婦人の本性が見えていたのかも。それにしても、8才でそういう経験をするって相当トラウマモノだな?

2020年5月11日

読書状況 読み終わった [2020年5月11日]
カテゴリ 2020年

 2年位前に期間限定で無料配布されていて「じゃあ、この機会に読んだことのない作家を読んでみよう」と思い、ダウンロードしてから長い時間がかかってようやく読了。

「日輪」
いきなりここでつまづき、だいぶ時間がかかった……。長羅の願望から始まった悲劇。卑弥呼を巡り、様々な男が殺され、犠牲となっていく。まるで毒のよう。卑弥呼は生涯結婚をしなかったとかあるけど、これを読むと果たして??と思う。

「蠅」
全ては蠅だけが知っている。出てくる人間の情報量は少ないけれど、一人ひとりにドラマがある。

「ナポレオンと田虫」
劣等感を表すかのような田虫。この後、島流しになるんだよなあ~。

「春は馬車に乗って」
お互いにいっぱいいっぱい。春を告げるかのようなスイートピーが1つの救い。

「蛾はどこにでもいる」
続いているのかと思った……。血を吸っていた蛾が生命まで引き継いでいるのではと思ってしまう。女の正体は幻影?蛾はどこまでもついてくる……。

「花園の思想」
高橋弘希さんの「朝顔の日」を思い出させる。死までの時間が綺麗な言葉たちで描写されていて美しい。

「機械」
重量感がすごい。ほとんど改行や会話文がない。機械に化学物質に惑わされ振り回され、みんな頭がおかしくなっている。軽部が持っていた私への疑心が己に。その疑心すら真実は何がなんだか。

「寝園」
推しは梶さんでしたね。まるで昼ドラだと思ったけど、それぞれがいろんな気持ちになって、すごい内容量。仁羽がまるで仏で、優すぎるし、何も考えていなさそうに見えて本当は一番の鉄面皮なのでは……?奈々江の行く先は暗くて不安。

「時間」
悪魔のような<時間>。眠らないようにと殴り殴られる時が一番グロテスクで、最後の水がより美しく見える。

「実いまだ熟せず」
遠回りすぎるー!!木谷さんが推しだったらそういうねー。結婚という枠組みに囚われて、難しく考えすぎてしまっているのかも。今みたいな自由な結婚でもないし。読み終わると題の意味がよく分かる。

「微笑」
真実か嘘か……。青年の微笑だけが覆せない真実で美しいもの。その微笑も鉄面皮で、苦しいぎりだったかもしれない……。

2020年6月6日

ネタバレ
  • 「蛾はどこにでもいる」のみ。
    偶然かもしれないけれど、妻がそこに乗り移ったかのような気がして。でもそのことについてだんだん気味悪くノイローゼになりつつあるのが怖いな。

    再読了日:2021年8月21日

  • ブラタモリで登別をやっていたので、そういえば地獄谷が出てきた作品って。。。と思い読み返し。「実いまだ熟せず」でした。ほんとの地獄だなあわあー!みたいな感じになっているけど、現在は立ち入り禁止レベルなので写真が云々言っている場合ではないのです。それもまた生きている環境が。。。につながってくるのかな。

    再読了日:2022年10月29日

読書状況 読み終わった [2020年6月6日]
カテゴリ 2020年

 おなじみな童話をベースにしたショートショート集。心温まる話あり、怖い話あり、とんち話あり。個人的には「見えないラケット」と「靴屋の悲劇」がある意味怖い話だった。
お気に入りは
「同期で一番」(共感要素多くて好き)
「豆の木マンション」(ジャックがどこまでもいい奴)
「つまみの家」(飯テロだったのがまさかの……)
「ハーメルン科」(葦田くんに幸あれ)
「夕陽売りの少女」(最後にこれは素敵か)

2020年2月23日

読書状況 読み終わった [2020年2月23日]
カテゴリ 2020年

 「夜長姫と耳男」と「桜の森の満開の下」のみ。後者は再読。
 「夜長姫と耳男」はあらすじは知っていたものの、やっぱりじわじわくる怖さ。まともな感覚がだんだんなくなってくる。耳男は最初は夜長姫のことを「あいつ、むかつくー」と思ってたろうけれど、弥勒を掘り始めるあたりから、一種の(勘違いから生まれたかもしれない)恋だったのかなーとか。特に笑顔に縛られているあたりは。最後のシーンは客観的にはグロテスクではあるけれど、それだけでは収まりきらない妖艶さ?美しさ?があると思った。
 その後に「桜の森の満開の下」を読むと、女が夜長姫よりちょっとマシだけど、やっぱり狂ってるって印象が強くなる。特に首を求めるところからは。最後の桜のところは一種浄化とも捉えられるかも。

2020年2月15日

ネタバレ
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