タイトル通りの、人生でやらなくていいことについての著者からのアドバイス集かな~、と思ったら、著者の半生記と現在(執筆時)、小説家になったいきさつ、およびなぜ福島県の南相馬に移住したのかの説明等々のエッセイ集だった。

おまけに巻末には一家の集合写真まで付いていたので、徹底的に自分をさらけ出す人なんだと、当初の本書への期待は満たされなかったものの、一方で小説家柳美里信条や人となりがわかり、だったら今まで読んだことのなかった彼女の作品を読んでみようかと、がぜん興味がわいてしまった。

本書を読んだ限りでは、ちょっとめんどくさそうな人であるようだが、作品にはそのめんどくささがどのように反映されているのか楽しみである。

2021年4月12日

著者自身の幼少期、小中高大時代の思い出や、上京してからのバイトを含むさまざまな仕事とその周辺人物にまつわるエッセイ集。

基本下ネタか、自分を含め、親、親戚、友人、恋人、仕事がらみの人たちのアホ話なのだが、その中にたまにホロっとさせる話を入れてきて、文章のうまさとの相乗効果で一気に読んでしまった。

それにしても、著者自身が相当オモロイ人のせいかどうかわからないが、幼少のみぎりよりアホでオモロくて、時にちょっと切ないエピソードに事欠かない人のようである。読んでいて、往年のリリーフランキーのエッセイを思い出した。

自分にはそんなエピソードの記憶はさっぱりないが、単に忘れているだけなのか、著者のように身の回りの出来事を面白がれる視点と性格を持ち合わせなかったため、実際には起きていたにもかかわらず、見過ごしてしまっただけなのかは不明。

本書以外にもエッセイ集と小説があるようなので、ぜひそちらも読んでみたい。

2021年4月16日

読書状況 読み終わった [2021年4月16日]
カテゴリ エッセイ

ガリンペイロとは、南米アマゾンので非合法に金を採掘する労働者を指す言葉。
本書はガリンペイロを追ったNHKのドキュメンタリー制作時の取材に基づき、同番組のディレクターが書き下ろしたものとなる。

本書冒頭に記されたガリンペイロの11の掟には、誰でも受け入れる、犯罪歴等、過去は問わない、採掘場所は明かさない、明かした場合は死を覚悟する、他人の黄金を盗んだ場合も死を覚悟する、等々があり、必然的にガリンペイロが金採掘をしている場所は無法地帯となっている。

本書ではそのような無法地帯でのガリンペイロ建ちの生態を描き出しているのだが、映像が元ネタにある事と、著者の文章力の高さから、ノンフィクションであるにもかかわらずその細かい描写によって、バイオレンス小説を読んでいると錯覚することがしばしばあった。

ちなみに私がガリンペイロを知ったのは、その昔読んだ池上遼一の「傷負い人」というマンガだったが、まさかその数十年後にガリンペイロについての本を読むことになるとは、ちょっと感慨深いものがありました。

あと、ダイヤモンドにもガリンペイロのような人たちがいるのかどうかもちょっと気になった次第。

あ、それから、著者あとがきのところで、取材時に採掘現場の全てを取り仕切る大ボスから、この場所をバラしたらお前たちの内誰かは死ぬことになる、と釘を刺されたことが書いてあるのだが、本書内には採掘現場の簡単ではあるが地図が載っているので、アマゾンに詳しい人なら本書の記述とその地図で場所の特定ができてしまうのでは?、とちょっと不安にもなりました。

2021年4月7日

鬼才すぎむらしんいちの新刊。

スランプとスキャンダルから逃げ出した女性脚本家が、故郷の湖で運行する観光遊覧船に乗ったことから始まるドタバタ+シリアスコメディ。

今時観光遊覧船を舞台にするとは、著者の目の付け所と発想にあらためて感服。

過去にも、中野ブロードウエイを舞台にゾンビ化した女性が襲ってくる話(「女ンビ」)や、新宿歌舞伎町を舞台に、違法移民のもめ事を解決する男の話(ディアスポリス)等々、本当にユニークで、かつ笑える作品を描いてきただけあって、今回も全2巻と短いながらもすぎむらワールドをしっかり堪能できた。
次回作も早く読みたい!

2021年3月14日

読書状況 読み終わった [2021年3月14日]
カテゴリ マンガ

「生命科学の基礎が、ウイルスが、抗体が、病気が、遺伝子操作が、最新の長生きと老化のことがぜんぶわかる!」(本書カバー見開き部分より)

オートファジーのことが知りたくて本書を手に取ったのだが、何と著者はオートファジーの研究でノーベル賞を受賞した大隅良典氏の門下生で、本人もオートファジーの研究を続けている人だった。

なお、オートファジーは、細胞の自食作用のことで、「ざっくりいうと、細胞を『自分の力で新品にする機能』」である。

オートファジーには、がんやアルツハイマー、パーキンソン病、脂肪肝や心不全等々の病気を治せる可能性や、老化を遅らせ、健康寿命を延ばせる可能性も指摘されている夢のような作用である。

もっとも、本書では半分以上を「科学的思考を身につける」、「細胞がわかれば生命の基本がわかる」、「病気について知る」という内容に割き、科学的思考と生命科学の基礎をできるだけ平易な言葉を使って説明することに費やしている。

以上のことを理解したうえで、いよいよオートファジーの説明に入っていくわけだが、その作用のすばらしさ、一方のデメリット、およびオートファジーを阻害する「ルビコン」と呼ばれるたんぱく質の話等々の学術面だけでなく、我々一般人にとって、じゃ、そのオートファジーの恩恵にあずかるためにはどうすれば良いのかまでもカバーされているので、理屈がわかったうえで、何をすればよいのかが説明されているので、非常に納得感が高かった。

具体的に何をすればよいかはぜひ本書を手に取って、確かめていただきたい。

2021年3月31日

「地政学とは~、アジア・中東・ヨーロッパという3大エリアで、衝突に関係する国のふるまいの研究です。
世界的なニュースのほとんどは、このエリアにかかわっているため、地政学を知ることは世界の情勢を知る事につながるのです」(本書p.8~9より)

ということで、なぜあの国はあのような行動をとるのだろうとか、あの国とあの国はなぜ仲が悪いのだろう、等々、国際的ニュースの理解の基礎となる知識が、見開きのイラストも交え満載。

もちろん、海外の事だけでなく、国際社会の一員である日本については、地政学の観点から解説がなされている。

新聞、テレビ、あるいはインターネット等の国際関連ニュースを読んで、あるいは聞いて「?」と思う事があった人であれば、基礎知識として本書を一読されることをお勧めします。

2021年3月25日

読書状況 読み終わった [2021年3月25日]
カテゴリ 政治

タイトル通り、独学者に向けての学習の進め方やモチベーションの継続方法など、古今東西の主たる学習方法や心の持ち方を網羅した、総ページ数700を超える大作。

巻末には「独学困りごと索引」として、「この本が分厚すぎて心が折れそうと思ったら」(笑)、「怠け心が生まれたら」、「ついつい先延ばししてしまうなら」等々、独学を妨げるあらゆる事態に遭遇した時にここを読め、という親切な綴じ込み索引付きという至れり尽くせりぶりに感動。

どちらかというと、資格試験や受験勉強よりも、何か一つのことを掘り下げて学びたい、研究したいという人向けの本だと感じた。

それにしても作者の知識の広さと深さにはただただ驚嘆。

手元に置いておいて、折に触れ参照したい本のひとつである。

2021年3月24日

読書状況 読み終わった [2021年3月24日]
カテゴリ How To

短編集。
同著者の「ババヤガの夜」が面白かったので、他の作品も読んでみたいと思った次第。

百合系の恋愛もの、SF、昭和歌謡、ホラー、異国情緒もの、他、非常にバラエティーに富んだ内容で、どれもが全て短編じゃなく、長編で読みてー!と叫ばずにはいられないほど引き込まれる内容。

また、作者の独特の表現も素晴らしく、例えば、

「ゆっくりゆっくり歩いた。恋の速度に合わせて。」(「だからその速度は」より)
「~、私はくじ引きで当てた腐ったほうれん草のような色の折り畳み傘を広げ~」(「あなたのこと考えると無駄になる」より)
「~こんなところで終わる人間じゃないんだと毎日自分に言い聞かせていた。つまり私は、どこにでもいる普通の十九歳だった。」(「ときめきと私の肺を」より)
「何もかも失ったって、よく言うじゃない」~「それね、案外難しいんだよね。必要なものはどんどん失くなってくけど、嫌なものとかいらないものは最後までべったりこびりついたまんま。全て失くして身軽にきれいになんて、なれないね。なかなかね。」(「タイム・アフター・タイム」より)

等々にしびれまっくた。

作品同士のつながりは無くそれぞれ独立しているので、どこから読んでもOK。短いものであれば5分もかからないものもあるので、ぜひ本書を手に取ってどれか1作品でも良いから、読んでみて王谷ワールドへ足を踏み入れていただきたい!

2021年4月5日

読書状況 読み終わった [2021年4月5日]
カテゴリ 小説

新進気鋭の脳科学者でメディアへの登場回数も多い中野信子の、自伝的エッセイが中心の本。なお、「ペルソナ」とは、本書によれば、「他社に対峙する時に現れる自己の外的側面」とのこと。

タイトルと著者が脳科学者であることは知っていたので、本書は脳科学の観点から「ペルソナ」とは何かを解き明かす内容だと思い込んでいたが、前述のようにほとんど著者の半生記や、夫の話とあと、著者の「ファン」と称して不用意に近づいてくる輩への威嚇(笑)という内容だったので、これはこれで面白かった。

東大の学部、大学院を経て医学博士となり、フランスの国立研究所へ勤務歴ありという、一般人から見たら超エリート街道まっしぐらの華麗な経歴で、挫折などないのかと思ったら、幼少の頃より生きづらさを抱え、孤立した人生を歩んできたという内容にはちょっと驚いた。

それでも生きることを辞めず、自分の興味の赴くままに勉学と研究を今でも続けている著者のバイタリティーには自分も刺激されるところがあり、これだけでも本書を読んだ甲斐があったと思う。

最近はようやく社会も、女性への差別を解消し、男性と同等の立場でなければならないという動きが出てきたが、それが完全にいきわたるまでにはまだまだ長い時間が必要になるかもしれない。

本書はそのような状況下の中、研究者や研究者とまではいかなくとも、勉強を続けたい女性のためのメンタル面サポートについての良き一冊になるような気がした。

2021年3月14日

読書状況 読み終わった [2021年3月14日]

有給消化率100%、一人あたりのGDP,日本の1.25倍、在宅勤務3割、睡眠時間は平均7時間半以上等々(いずれも本書より)、生産性が低い、と言われている日本から見たら夢のような暮らしをしているフィンランドの人々の暮らしぶりを、現地に留学経験があり、本書執筆時でフィンランド大使館に勤める著書が紹介する。

そんなフィンランドも、本書によれば初めからそうだったわけではなく、約100年くらい前はスウェーデンとロシアに支配され、ヨーロッパの中でもかなり貧しい国だったとのこと。

その後なぜ現在のような発展ぶりを遂げたのかの説明はされていないが、フィンランドの人たちのプライベートの時間をいかに大切にするかや、仕事への集中度の高さ、またそれを可能にする仕事環境の整備他、国全体がそのような生活を可能にする仕組みになっていることが詳細に描かれている。

だからと言って、フィンランドもいいことづくめばかりではではなく、職場でのパワハラ、セクハラ等もあり、簡単に失業してしまうという不安定な面もあるとの事。

ただ、歴史的背景や国民性、文化等々の違いはあれ、比較してみればより人間らしい生活を送っているフィンランドの良い部分を日本だって取り入れようと思えば取り入れられるはず。特にコロナ禍で、人々の生き方への考え方が大きく変わり始めた今こそ、フィンランド式を取り入れる絶好のチャンスだと感じた。

このようなことは個人から始めることはできないので、ぜひ国を動かす政治家に方々に、本書を読んで真剣に目を向けていただきたい。

2021年3月8日

読書状況 読み終わった [2021年3月8日]
カテゴリ 社会

新宿歌舞伎町で暴れていた女が、拉致され暴力団の事務所へ。そこで、組長の娘のボディーガードを否応なく命じられたところから話は始まる。

暴力描写が凄まじいストーリー展開だが、徐々に組長の娘と心を通わせていくことで、話は思いもよらぬ展開へ。途中のシーンと最後があんな風につながるとは、まんまと騙された。あまりの面白さに、一気読みしてしまった。

昔の東映だったら即映画化されたであろう、痛快な女バイオレンスもの。今だったら、ラッパーの「なみちえ」を主人公にして、ぜひ映画化してもらいたい。
あと、漫画家の沙村広明が好きそうな話でもあるので、コミカライズも大歓迎である。

それから、本書カバー絵が巨匠寺田克也であることも特筆しておくべきことだろう。

ところで。「ババヤガ」って何なんだろう?結局最後まで分かりませんでした(笑)。

2021年2月27日

私にとって「現代音楽」とは、奇妙な楽譜で演奏される前衛的なものや、1フレーズを延々と繰り返し演奏するミニマル的なもの、あるいは環境音楽的なもの等々のちょっとマニアックなものだったのだが、本書では現代音楽のルーツを1900年代初頭に求めていて、いわゆるクラシック形式のオーケストラ等で演奏されるタイプの音楽から、その歴史を紐解いている。

そこから、私の思っていた現代音楽に至るまでの歴史や技法などを当時の社会情勢も交えながら、綿密ながらもコンパクトにまとめてあり、難解と思われがちな(実際難解だと思うが)現代音楽についての概要を手軽に知ることができる良い本だと感じた。

なお、本の数行ではあるが、ビートルズの「Revolution 9」についても触れられているところなどは、著者のカバー範囲の広さが感じられ、本書の信頼性を上げているとも思った。

一方で、ドイツの現代音楽の流れからはもう一歩踏み込んで、ごく初期のクラフトワークについてもコメントして欲しかったし、日本でも坂本龍一と土取利行の「ディサポイントメント・ハテルマ」についてもも取り上げて欲しかったな~とも思った次第。

2021年4月3日

東京のJR新橋駅をはさんで建っている名物ビル、「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」の生い立ちと、そこで店を構えている人たちの生き方、考え方のインタビューを通じ、かろうじて残る「昭和遺産」の魅力を伝えている本。

「ニュー新」の方はごくたまにだが行くことがあるので、何となく雰囲気は知っていたが、「駅前」とペアであることや、「ニュー新」の上層階が住居となっていること、耐震強度が足りないことで、2棟ともいずれ解体される等々の事は本書を読んで初めて知った。

ちなみに、「駅前」は1966年、「ニュー新」は1971年に建てられたとの事。

なくなる前に二つとも探訪しておかなければ!

2021年2月24日

読書状況 読み終わった [2021年2月24日]
カテゴリ ルポルタージュ

アルツハイマーを含む認知症の専門医が書いた、脳の仕組みの解説と認知症の予防の方法を記した本。
方法についてはサブタイトルにある通り、18種類を中心に紹介。

本書では、世間でよく話題になる計算ドリルやパズル等のいわゆる「脳トレ」の効果は疑問としていたり、適正睡眠時間は人それぞれなので一概に決められないとよく言われる件についても、最適は6.5~7時間としていたり、酒についても、脳へのダイレクトダメージがある「神経毒」と断じ、物忘れが始まったら、できれば「断酒」が望ましい、加えてWHOのガイドラインではサプリメントは認知症予防の観点からは推奨されない、という事を紹介しているあたりはちょっと驚きであった。

もちろん本書で主張されている内容が全て正確かどうかは分からないので、この本をそのままうのみにする必要は無いとも思うが、それでも長年認知症を研究している医師の提言には説得力があり、傾聴に値すると思った。

2021年2月22日

読書状況 読み終わった [2021年2月22日]
カテゴリ 健康

生物の学名(ラテン語を使用)は、以前はその特徴を表した名前が付けられていて、類似のものと区別するために名前がどんどん長くなっていった。

しかし、カール・リンネというスウェーデンの博物学者が「二名法」という記名法というシンプルなルールを提唱、それが採用されたことで、特徴を入れる必要がなくなり、そのため発見者が新種の命名の際の裁量度が格段に広くなり、そのため、自分の「想い」が表現できるようになったとの事。

そのため、デヴィッド・ボウイの名を冠したクモや、スポンジボブから命名された真菌類等、当該生物とは全く関係ない学名も多数命名されることとなっている。

また、そのような著名人や有名キャラクターにちなんだ名前だけでなく、科学や生物学、あるいは新種の発見に多大な寄与をした学者や市井の人々を顕彰するためにもこの二名法は都合がよく、実際多くの種でこのタイプの命名がされている。

一方、本書によれば命名権の売買や、他人を侮辱する目的の命名等、二名法の陰の部分も本書では明らかにしている。

学名は純粋に科学的観点のみで命名されると思っていただけに、本書を読んで実際にはそうではなかったこと、また学者の良くも悪くも人間臭い部分が学名に反映されていることを知り、もし今後生物の学名を目にするようなことがあれば(ほとんどないとは思うが)、その命名の背景は何だったのか、と思いをはせてみたい。

2021年3月3日

モルトとは大麦を発芽させたもので、これを原料に作られたウィスキーが、モルトウィスキー。

本書はそのモルトウィスキーの起源から主たる蒸留所と、そこで作られている主なウィスキーを、色、香り、味、そして著者の評価点も加えて詳細に紹介した、モルトウィスキー図鑑である。

なお、本書はスコットランドで作られている、いわゆるスコッチウイスキーでそのほとんどが占められているが、「ニューワールドウィスキー」として、日本やインド、アメリカ、ニュージーランド、台湾他の国々のモルトウィスキーも紹介されている。
ちなみに日本からは、最近話題のイチローズ・モルトの「秩父」、サントリーの「白州」と「山崎」が登場。

ちょっと驚いたのが、アイルランド、ウエールズ、イギリスのウィスキーが「ニューワールドウィスキー」のところで紹介されていたこと。
著者にとっては、スコットランド以外は同じエリア、あるいはU.K.内であっても「外国」である、というスコッチへの強いこだわりを感じた。

本書を読むまで、自分の知っているウィスキー銘柄のほとんどはアイルランド産だと思い込んでいたが、全てスコッチであることが判明。認識を新たにできてよかった。

あと、本書の著者は「マイケル・ジャクソン」だが、当然「ポーッ!!」でおなじみのあのマイケルとは同名の別人。ただ名前以外にも、本書のマイケルも既に故人という共通点があった。
なので本書はマイケルのこだわりを受け継ぐ、別の人たちにより情報が追加された改訂版である。

私はあまりアルコールが得意な方ではないが、それでも本書を読んで、今後ウィスキー飲めるような機会があれば、スコッチをトライしてみたいと思った。

2021年2月20日

読書状況 読み終わった [2021年2月20日]
カテゴリ 図鑑

本書によれば、「マスタードは塩やコショウとともに、世界で最も広く使われている調味料ベスト3のひとつである。」とのこと。塩、コショウの次はトウガラシだと思っていたので、ちょっと意外。

また、マスタードと言えばフランスやアメリカのものが有名なので、原産地もフランスやアメリカかと思っていたら、原料となるマスタードシードはカナダ、ネパール、ミャンマーで世界の収穫高の70%を占める、というのも意外だった。

あと、調味料としてのマスタードは4000年前(!)から歴史に登場し、マスタードシードにあっては、中国西部にある遺跡の器の中から発見された紀元前4800年(!!)のものというのも驚きだった。

本書はそんなマスタードの歴史はもとより、各国でどのように使われてきたか、使われているか、文学や言語との関わり、そして薬としての用途や栄養的観点等々、マスタードの全てを記している。

日本でのマスタードの使用についても7行ほどではあるが紹介されていていて、「カラシレンコン」の写真が載っていたのには思わず笑ってしまった。ちなみに、本書によると、ワサビもマスタードの近縁種とのこと。これも知らなかった。

それから、トウガラシが現代も含め、薬として使用されていたのは知っていたが、マスタードも内用、外用を含め薬として使用されていたのは驚きだった。

あと、本書ではイエローマスタードには乳化性があり、ドレッシングやマヨネーズには重要な性質との記述があったのだが、その昔バイト先の宴会場の厨房で作られていたフレンチドレッシングには、必ずマスタードを入れていて、その時は単なる風味付けかと思っていたが、本書の子の記載を読んで今更ながら深く腑に落ちた次第。

加えて本書によればアメリカウィスコンシン州には「ナショナル・マスタード・ミュージアム」なるものがあり、300種類のマスタードが購入できるとのこと。
いつか行ってみたい。

2021年2月12日

読書状況 読み終わった [2021年2月12日]
カテゴリ 雑学

ネズミの親子が人間たちの行動を観察し、それに対しての考察をする形で、専門用語を一切使わずゲーム理論の基礎を学べるようにした本。

加えて、各章の終わりには紹介されたエピソードのポイントやそれがゲーム理論上ではどう扱われているかの解説もあり、本書の終わりには、さらに深く知りたい人のための書籍案内もあるので、ゲーム理論の世界に入っていきやすいような気がした。

少々ややこしいエピソードもあるが、世の中の意思決定がどのように行われているかに興味ある人にはお勧め。

2021年2月12日

読書状況 読み終わった [2021年2月12日]
カテゴリ 経済学

60歳を過ぎて世界初のインターネット生命保険会社であるライフネット生命を立ち上げ、70歳にして立命館大学学長に就任し、現在に至るまで数多くの著作や週刊誌の連載までこなす超人の、社会に向けての提言集。

タイトルには「還暦からの」とあるが、内容は還暦を迎えるあたりの人だけではなく、10代後半以上の人は全員読むべきと感じた。よって、タイトル変更をして、広くあまねく読まれる本として再発売されるべき本。

「『何歳まで働くのか』を考えても意味がない」、「運をつかむカギは『適応』にあり」。「歴史が示す学びとダイバーシティの重要性」、「世界の見方を歴史に学ぶ」、「男性が子育てをすると家族愛が高まる理由」他、これからの日本の再建に向けての有益な提言がこれでもか、と満載。

日本政府は今すぐ著者を政策ブレーンとして三顧の礼を持って迎えるべし!

そして若者も今すぐこの本を読むべし!

2021年2月5日

読書状況 読み終わった [2021年2月5日]
カテゴリ 自己啓発

が「大人の男」に提案する、休日用ファッションの「ユニフォーム化」によるベストコーディネイトをイラスト付きで紹介。なお、全身像のイラストはなぜか頭部だけが虎や狼、あるいはワシ等の動物になっていて、Man with a Misson感が溢れている。

ジャケット、シャツ、ニット、パンツ、デニム、靴、小物等々がそれぞれ色、サイズ、ブランドまで指定されているので、ファッションに疎い私のようなおっさんにはありがたい。特に、金のない人にはユニクロでも十分とされているものが多く紹介されているところもありがたい。

ところで本書は最初のページから、「余計なことはしないでください。」とだけ大きな文字で書かれたページで始まり、そのあとに「『あ、これ、おしゃれかも」 そう思ってあなたが手に取る服は、おそらく、ダサい服です。」と続き、のっけから読者の自信をポキリと折に来る。

スタイリストにそう断言されると、そうかも、と思ってしまい、その後のページはただただ、書かれている内容をありがたく拝読する感じであった。

ただ、紹介されている内容は納得感の高いものばかりなので、まずはユニクロレベルからこの提案に乗っても良いかな~とも思った。この週末、あるいは来週末あたりにユニクロ行ってみよっと。

2021年1月27日

宇宙の始まりから、文化、社会、生活、科学、医学、文学、ICT他、ありとあらゆるさまざまなものの「はじまり」を記した本。

数えてはいないが、数千に及ぶアイテムの始まりを記載しているので、それぞれのアイテムについての記述はほんの数語のみ。

それらの発祥の国として頻出するのは古代メソポタミア、ギリシャ、エジプト、中国、米国等だが、少ないながら日本についても、華岡青洲の「通仙散」(全身麻酔薬)、無鉛ガソリンの販売と有鉛ガソリンの禁止、新幹線(開業時の写真も掲載)、自動民間用カーナビゲーション、電子式テレビ受像機、市販ビデオカセット、クォーツ式腕時計、二酸化炭素排出量観測衛星、天皇(皇帝)、女帝、紙のリサイクル、サインペン、源氏物語(初めて女性が書いた小説として)、漫画(鳥獣戯画、写真付き)、たまごっち(電子玩具として)等々が言及されている。

記載されている内容の真偽はわからないが、とにかく良く調べたな~と思った。現代はネットがあるとはいえ、それでも各アイテムの始まりを遡って調べる労力は膨大だったと思う。この点だけでも著者には敬意を表したい。

雑学好きは一読の価値があると思う。

2021年2月10日

読書状況 読み終わった [2021年2月10日]
カテゴリ 雑学
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宗教と哲学の誕生、東西の主要な宗教や思想の概要、および20世紀の哲学者までの思想を体系的に網羅した大作。各章にはより深く知りたい人のための推薦図書も記されている。おまけに折り込みで年表もついていて、各思想家や系列や対立までもビジュアル的にわかるようになっているところも新設。
キリストやブッダ、ソクラテス、マルクス等々、個人についての詳細な解説本は多数あれど、古今東西の宗教と思想をその成り立ちから、お互いの関係まで網羅的にまとめてくれた本は私にとっては初めてだったので非常にありがたい。

ただ、後半の19~20世紀の思想家のあたりは少々難解にも思えたが、概要をある程度理解できただけでも私にとって本書の有用性はかなり高いと感じた。

しかしながら著者の博識ぶりと著作数の多さには驚かsれる。
元々はビジネスマンで、世界初のインターネット専業保険会社ライフネット生命を立ち上げたり、現在は立命館アジア太平洋大学の学長である上に、週刊文春で日本史についての連載も持っているという超人ぶり。
何でこのようなことが可能なのか、その秘訣を知りたいものである。

2021年2月4日

読書状況 読み終わった [2021年2月4日]
カテゴリ 教養

世界中で愛される食材「エビ」について。その歴史や各国でどのように食べられているか、およびエビにまつわる文化と、エビと社会の関り等を簡潔にまとめている。加えて巻末にはエビを使った料理のレシピ付き。

なお、著者は外国人で、本書の原著も英国で出版されたもののようだが、日本のえびせんや、エビが描かれた年賀状の写真なども載っていて、ちょっとうれしかった。

あと、本書で取り上げられているエビはロブスターやイセエビのような大型なものは対象外で、いわゆるクルマエビやバナメイのような小型エビのみ。大型については、本書のシリーズ内で別著者が取り上げている。

ちょっとショックだったのは、エビにまつわる社会問題として、乱獲や、養殖による環境汚染、あと20世紀初頭ではエビ加工のために劣悪な環境の下での児童労働が横行していたというところ。

さすがに児童労働はなくなったが、乱獲や環境汚染の問題は継続していることから、著者は自信を含め、我々消費者に良識ある購入および摂食を呼び掛けている。

かつてエビ消費量世界一だった日本にとって、十分気を付けなければいけない警告の書でもあった。

2021年1月26日

読書状況 読み終わった [2021年1月26日]
カテゴリ 教養

リストラされてたのを機に、親類の経営する会社へ転職し、一家四人で東京から福岡へ移住した加納鉄平。失意の日々を送っていたが、ある日弁護士から妻あてににかかってきた電話をたまたま受け、驚愕の内容を告げられる。そこから鉄平の人生が大きく変わり始めるのだった・・・。

先の読めない展開と、無駄に細かい(笑)風景や食の描写の緩急にワクワクしっぱなしで、ページをめくる手が止まらなかった。500ページを超える長編だが、あっという間に読み終わってしまった。

あと、内容以外にユニークなのが本書の装丁。通常であれば帯にかかれるような、あらすじ、編集者や著者のコメント等が表紙に直接書かれているところ。なので、本書の表紙はタイトルも含め文字だらけでイラストは一切なし。

とにかく小説を読むのに抵抗が無い人はぜひ、読んでいただきたいエンターテインメントな一冊。

そう言えば、本作は昨年(2020年)NHKでドラマ化されていたが、本書を読んだ後今となっては、それを見逃したことをものすごく残念に思う。再放送を気長に待つことにしよっと。

2021年1月15日

読書状況 読み終わった [2021年1月15日]
カテゴリ 小説
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