本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く

  • 化学同人 (2014年3月19日発売)
3.47
  • (7)
  • (6)
  • (13)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 157
感想 : 20
3

タイトルの通り、世俗的に言われている迷信を切っていく本。
迷信と言っても「ディスレクシアの特徴は逆さ文字である」のように日本ではあまり関係ない話題、モーツアルト効果や抑圧された記憶のように旧聞に属するようなものも多く、玉石混交ではある。参考文献がしっかりしているのがよい。

また、各章は独立しており空き時間で読むにはよい。

面白かったのは睡眠学習の章で、睡眠学習に効果ありとしている研究では脳波などによる睡眠チェックを行なっておらず、これをしっかりチェックしている研究では睡眠学習の効果が認められていない。と、いうことで、睡眠学習は実は音声を流している間、被験者が起きて聞いているだけなのではないか、だったら起きている間にやればいいんじゃないか、というもっともなツッコミがみられる。寝ている人に水をかけ、後で聞くと雨漏りの夢を見ていたというなど、外的な刺激を夢に統合することはある程度可能らしいが、ごく単純な内容に限られるので、睡眠学習は不可能

・マルチョイ式のテストでは、最初に丸をした選択肢について疑問が生じたら変更したほうがよい。これはテストで消した跡があるかどうか、など多数のデータを検討した結果、正解から間違いになるよりも、間違いから正解になっている方が多かったことが確かめられている。最初の直感を信じるのはよくない

・満月の夜に交通事故が多い、というデータはあるが、後で検証してみたところ、その期間の満月の夜は週末が多かった

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 精神医学
感想投稿日 : 2014年5月13日
読了日 : 2014年5月13日
本棚登録日 : 2014年5月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする