子供に読み聞かせていたのだが、途中から面白くなって一人で読み終わる。しかし、スラスラと黙読していくと、朗読していたときほど面白くない。細部の書き込みが素晴しく、ゆっくり朗読するくらいのペースで読まないと本当の素晴しさが読み取れないみたい。

カテゴリ 小説

幕末の混乱期を生きた4人の大名 山内豊信容堂、島津久光、伊達宗城、鍋島直正(閑叟)をそれぞれの個性豊かに描いた中編集。司馬遼太郎と言えば歴史小説から紀行に至るまで数限りない名作を残しているため、代表作と言われても意見が割れる。もし、彼が「竜馬がゆく」しか残していなければ、本作はそのスピン・アウト作品として高い評価を受けていたのではないかと思わせる佳作揃い。

2020年3月21日

読書状況 読み終わった [2020年3月21日]
カテゴリ 小説

k8s関連本が雨後の筍状態だが、中でも周備完密と言われて評価が高い一冊。CKA 受験準備の一貫で通読。まあ、網羅性は文句の無いところだが、もう少し記述にメリハリがあった方が初心者には読み易いかも。

2020年3月9日

読書状況 読み終わった [2020年3月9日]
カテゴリ コンピュータ

村上龍の代表的長編。高麗遠征軍の福岡占領に日本政府が右往左往する前半は少なからず退屈だが、後半のクライマックスは圧巻で一気に読ませる。このクライマックスを読むためにだけでも退屈な前半を我慢する甲斐がある。

2020年3月7日

読書状況 読み終わった [2020年3月7日]
カテゴリ 小説

マミヤ海峡の発見者として世界地理に名を残す江戸時代の冒険家、間宮林蔵の生涯を、若き日の樺太冒険だけでなく、幕府隠密として過ごした後半生やおりきと暮らした最晩年も含めて描き切った一冊。史料に基づきつつも、まるで見てきたかのような人物の生き生きとした描写は吉村昭の真骨頂。

2020年2月22日

読書状況 読み終わった [2020年2月22日]
カテゴリ 小説

吉村昭『羆嵐』、木村盛武『慟哭の谷』と並ぶヒグマ三大文学の一つ(嘘)。『羆嵐』、『慟哭の谷』がいずれも三毛別事件に取材したフィクション、ノンフィクションなのに対して、『シャトゥーン』は同事件にかなりの影響を受けているものの完全なフィクション。全体的に登場人物が薄っぺらいせいでドラマ性が薄いし、現実味にも乏しいが、そんな話の詰まらなさを圧倒的な力で蹴散らすヒグマの迫力が凄い。

2020年2月12日

読書状況 読み終わった [2020年2月12日]
カテゴリ 小説

ウォーレン・バフェットの公認伝記。幼少期のエピソードからベン・グレアムに師事した大学時代、投資やビジネスに関する様々な事件、プライベートの一風変わった女性関係に至るまで、まったく飽きさせることなく、久しぶりに読書の悦びにどっぷり浸った。オマハの賢人と呼ばれ、順風満帆に見える投資家人生だが、その内実はいくつものピンチを類稀なる判断力と実行力(とバスタブ型記憶)で乗り切ってきた結果なのだ。楽をして金を儲ける方法なんてない。著者が5年の歳月を費して取材、執筆したというだけあって、ハードカバー版で 2冊、文庫版で分厚いの3冊という大著で、Kindle さまさま。

2020年2月11日

読書状況 読み終わった [2020年2月11日]
カテゴリ ビジネス・経済

山崎元 資産運用論の決定版と言っていい一冊。実際の著者は冒頭の漫画にも描かれている通り非常に謙虚な人物で、何を言うにも「~という考え方でご判断されたら、よろしいのではないかと思います」というような言い方を駆使する人なのだが、本書は第三者 大橋弘祐氏の筆の力で、証券はもちろん保険、不動産、結婚に至るまで、ずいぶんと大胆にブッタ切っていただいている。

初めて山崎元の著作を読んだのは 2005年「お金をふやす本当の常識」(2001年「お金がふえるシンプルな考え方」の加筆・改題)であった。当時から「唯一、投資家の立場に立って書かれた本」という評価が高く、自分自身も納得してその通りに運用をしてきた。その後の著者の活躍は周知の通りで、(近年はインデックス・ファンドに傾倒し過ぎている嫌いがあるものの)、その考え方が 20年変わらずに通用しているというのは、この変化が激しい金融業界にあって奇跡的なことであろう。ことこの著者に関しては、「どの本を読んでも同じことが書いてある」という批判は不適切である。

2020年1月30日

読書状況 読み終わった [2020年1月30日]
カテゴリ ビジネス・経済

「エルマーのぼうけん」はかれこれ 70年読み継がれるベスト&ロングセラーだが、僕は子供の頃に読んだことがなく、未読。息子が図書館から借りてきて読んでいたので、僕は原著にチャレンジ。1時間ほどで読み終えられる分量ながら、グイグイと引き込まれるストーリーが魅力的で、英語多読初〜中級者にオススメできる一冊。日本語訳は「エルマーのぼうけん」の名の通り主人公がエルマーだが、原著は "My Father's Dragon" で、子供が自分の父親の冒険譚を語るという構成になっていて、より趣深い。

2020年1月26日

読書状況 読み終わった [2020年1月26日]
カテゴリ 小説

銭湯を舞台にした青春群像劇。少なからず凝り過ぎて現実味を失なっているが、全体的な完成度は平均以上。次から次へと起きる事件にまた現実味がないのだが、小説なんだから、それでいいのだ。登場人物それぞれの揺れ動く心情が青臭くない範囲で描かれていて引き込まれる。

2020年1月11日

読書状況 読み終わった [2020年1月11日]
カテゴリ 小説

量子コンピュータの一般向け入門書としては、これ以上は望みようがない名著。おそらく竹内繁樹のブルーバックス同様、長く読み続けられる一冊になることだろう。個人的には ほとんど最新の情報とも言える 2019年10月 Google の量子超越性に関する発表に関しても触れられていたのが非常に役に立った。というのも、著者がその論文の査読者だというのだから、なにおか言わんや。

2020年1月6日

読書状況 読み終わった [2020年1月6日]
カテゴリ コンピュータ

人に勧められて読んだのだが、今一。著者たちはレーモン・クノーに触発されたようなことを書いているが、スタイルとしてはウンベルト・エーコの方が近い。しかも、『ウンベルト・エーコの文体練習』を読み返した方がまだ面白い。

2020年1月5日

読書状況 読み終わった [2020年1月5日]
カテゴリ 文学・評論

量子コンピュータ乱読2冊目。まあ、当たりもあれば外れもあるということで、まあ IT に詳しくない人向けに悪くはないが、あまりにも簡略化し過ぎ。の割には、Python によるシミュレーション・ライブラリを紹介したりしていて、バランスが取れていない印象。

2020年1月2日

読書状況 読み終わった [2020年1月2日]
カテゴリ コンピュータ

新年早々、お客様に量子コンピューティングについて一席ぶたなくてはいけなくなったため、(資料は専門の人が準備したものを使うことにして)付け焼き刃でお勉強。なんせ僕の量子コンピューティングに関する知識は 2005年だかそこらのブルーバックスで読んだきりで、最近の D-Wave やら Google やらの知識は IT Media で読むレベルに留まっているものだから。とは言うものの、2005年当時から量子ゲートについては概念的に大きなジャンプがあったわけではなく(当たり前か…)、アニーリングが現実味をおびてきたくらい。

量子コンピューティングの概要から詳細まで段階的に追っていく構成が素晴しく、初読者向けにも分かり易い一冊。

2020年1月2日

読書状況 読み終わった [2020年1月2日]
カテゴリ コンピュータ

約半年をかけて 5歳の子供に読み聞かせきった、ハリーポッター・シリーズの一冊目。映画を何度か見ていたのであらずじは追えたようだが、450ページを越える長編の上、僕が忙しかったこともあって週末にしか読めず、とうとう年を越えてしまった。登場人物もそれぞれに個性的で魔法世界の日常も魅力的、もはや古典と言ってもいい作品だ。

2020年1月2日

読書状況 読み終わった [2020年1月2日]
カテゴリ 小説

会社の課題本。『学習する組織』では難し過ぎるので、『「学習する組織」入門』を読ませるというところがイイ。実際、『学習する組織』は難解・大著で有名だが、こちらは必要なエッセンスを噛み砕いて説明しており、非常に読み易い。まあ、この手の自己啓発本は読むのはもうどうでもよくて、一つでもいいから実践してみろという話なのだが…。

2019年12月21日

読書状況 読み終わった [2019年12月21日]
カテゴリ 自己啓発

ここ最近に読んだ技術概念書(コードを含まない概念論だけの本)の中では飛び抜けて秀逸。著者陣はマイクロサービスアーキに対しては懐疑的だが、しかしマイクロサービスアーキテクチャがもたらしたアーキテクチャのパラダイムシフトについては完全に理解し、言語化している。

2019年12月8日

読書状況 読み終わった [2019年12月8日]
カテゴリ コンピュータ

邦訳『拾った女』が面白かったので、再読は原著で。フレームワークが判った上で読むと随所に細かい仕掛けが…というのを期待して再読したのだが、思ったほどではなかった。しかし、それでも1940年代のアメリカの風景をよく活写していてストーリー展開にもメリハリがあり、面白いことに変わりはない。

2019年12月5日

読書状況 読み終わった [2019年12月5日]
カテゴリ 小説

「英国一家、日本を食べる」で世界的な日本旅行ブームを牽引したマイケル・ブースが、10年振りに日本の食文化を紹介する一冊。当時、4歳と6歳だったアスガーとエミルはもう思春期の少年達だ。

日本食賛美に終始した「日本を食べる」とは異なり、海苔やバフンウニの将来に警鐘を鳴らしたり、何かを勘違いしてしまったラーメン職人に手厳しい批判をしたり、口に合わないものは口に合わないと評価しつつ、まだまだ世界に知られていない日本食の秘密も惜しげもなく開陳する。個人的にはラーメン、カレー、焼き鳥に続いておでん、蕎麦まで世界にバレてしまうのかと戦々恐々だ。

2019年11月30日

読書状況 読み終わった [2019年11月30日]

十二国記 18年振りの新作は、『黄昏の岸 暁の天』で描かれた戴を内側から描いた物語。文庫全4巻とボリュームもたっぷりだが、正直なところを言うと18年待たせてこれか…という印象。期待が高過ぎたというのもあるだろうが、登場人物が無茶苦茶多いわりに、どれもこれも似たり寄ったりで魅力がない(特に主人公とも言える李斎に魅力がない)。思い入れが少ないから、戦死したシーンが描かれてもこれといった感傷も受けない。強いて言えば台麒自身と琅燦くらいが個性的だったが、これなら他の作品を読み返した方が良かった。

2019年11月30日

読書状況 読み終わった [2019年11月30日]
カテゴリ 小説

Uber の SRE が書いたマイクロサービスの本ということで手にとったのだが、まあ普通か。様々なチェックリストは実践的で役に立つが、マイクロサービス・アーキテクチャーに移行するために必要な本当の苦労はそこではない気がしている。

2019年11月12日

読書状況 読み終わった [2019年11月12日]
カテゴリ コンピュータ

「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 」の Kathleen Flinn が、その邦訳出版を機に日本と縁を持ち、スシ・アカデミーの特別レッスンを受けたり、最後の築地市場を見学したり、ファンの人の家に食事に行ったりと日本満喫の紀行&魚料理エッセイ。「英国一家日本を食べる」を思わせる軽妙なタッチで一気に読ませるが、内容的には「ダメ女…」を読み返した方がいいレベル。

2019年10月20日

読書状況 読み終わった [2019年10月20日]
カテゴリ 紀行

原著は2017年、翻訳は2018年末の刊行、欧州における移民問題の本質を、円熟のあまり虚無化した精神文化と、行き過ぎたあまりに半回転してしまったリベラリズム(主に政治家とジャーナリズムの)に求める。

日本ではまだ移民問題はそれほど問題視されていないが、1991年には「悪魔の詩」の邦訳者が勤務先の大学内で殺害されるなど著者が「警告音」と呼ぶ事件はすでに起きている。欧州の奇妙な死ではなく、広くリベラリズムの奇妙な死あるいは日本の移民政策の未来を示す黙示録として読まれるべき一冊だろう。

2019年10月19日

読書状況 読み終わった [2019年10月19日]
カテゴリ 社会・政治

数年前から、タコやイカといった頭足類が、実は人間に匹敵する知性を持った生物であるという認識が深まってきている。この本は、その認識を広めるきっかけとになった本のうちの一冊で、スキューバ・ダイビングによる観察や多数の研究論文を通して、頭足類の習慣や「意識」について考察する。

脊椎動物が脳を中心とした中央集権的な神経系を発達させたのに対し、頭足類は多数の柔軟に動く足と体中に配置された分散神経系を発達させており、神経系という意味では収斂進化しているのは興味深い。他の軟体動物と異なり(人間のそれとはかなり異なるものの)目が発達しているのも特徴だ。「タコになったら、どんな気持ちがするのか?」という思考実験は、「意識」に関する考え方を一変させる。

2019年10月12日

読書状況 読み終わった [2019年10月12日]
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