Brave New World

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本棚登録 : 18
レビュー : 3
著者 :
へ〜たさん 小説   読み終わった 

1984 と並び称されることの多い dystopia 小説の代表格。1984 同様、登場人物に Marx や Lenina (Lenin)、Trotsky などを配し、dystopia と共産主義の類似をほのめかしている。

人工子宮と Bokanovsky プロセスによって「量産」される人々は、毎日、階級ごとに定められた同じ量の同じ仕事をし、仕事が終わると soma に陶酔して幸福を得る。家族の概念は失なわれ、フリー・セックスとリーマン面テニス、障害物ゴルフといった余興を楽しみ、怒ることも、悲しむこともない安定した生活を送る。永久に続く幸福感と引き替えに、そこにはシェイクスピアがかつて描いたような悲劇や喜劇はナンセンスとなり、安定を打ち破る科学は危険なものと見なされ、宗教はその必要性を失なった。

もちろんこれは SF 小説であり、描写は極端に過ぎる。しかし、今日も人類は安定と発展の板挟みを日々経験している。いつの日か人類は、戦争や悲しみに満ちた不安定な世界を捨て、芸術も科学も無い完全に安定した世界で soma に酔い続けることを選択してしまうのだろうか? そろそろ不惑を迎える歳になり、常々、安定も悪くないなあなどと思ってしまう今日このごろ。よろしくない。

レビュー投稿日
2012年10月14日
読了日
2012年10月14日
本棚登録日
2012年10月14日
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