自動運転本 3冊目。2017年6月刊行の本で1年半ほど昔の本だが、知る限り状況は大きく変化していない(著者たちの予測は極めて高い精度で当たっている)。いたずらにナイーブな未来予想図を描くでもなく、変化への恐怖感からアレルギー的な嫌悪感を示すでもなく、極めて現実的な近未来像を示していて素晴しい。
レベル1、2 (衝突検知、自動車庫入れなど)の運転支援技術が一般価格帯の車に標準塔載されるようになる一方、その延長としてのレベル3(高速道路でのオートクルージングなど)も普及が進んでいる。また、無人運転に向けてのレベル3、レベル4(限定区域内における無人運転)はコミュニティ・モビリティとしての固定コース、低速(20km/h程度)での普及が進むと予測する。一方で、レベル5 に向けては技術的成熟度、既存交通社会との併存の難しさ、法制度(各国法はもちろん、ジュネーブ条約、ウィーン条約も)、賠償責任と保険、社会的受容などの観点から四半世紀程度は先になるだろうと言う。
既存の自動車産業が Google Car やテスラによって駆逐されることは考え難いとしながらも、幹線には既存の電車やレベル3を完備したバスが、ラストワンマイルにはコミュニティ・モビリティ型の自動運転車が配備された近未来交通社会を予測し、ますます下降するマイカー需要が自動車産業界に変革を迫ると説く。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス・経済
- 感想投稿日 : 2019年1月15日
- 読了日 : 2019年1月15日
- 本棚登録日 : 2019年1月15日
みんなの感想をみる