死神の精度 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年2月10日発売)
3.93
  • (100)
  • (162)
  • (99)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 1819
感想 : 117
4

続編『死神の浮力』が Kindle のセールで安くなっていたので購入。せっかくだから、『死神の精度』から読もうと思って読了。伊坂幸太郎は、一時期よく読んだものの、最近はご無沙汰だった。初期作品のような軽過ぎて鼻につく会話はなくなり、シニカルな死神の一人称ナレーションが楽しい短篇集。まあ、あいかわらず上手い。

短篇集としてみると、最後の『死神対老女』が傑作で、最初の 5編は(様々な意味で)この最終話を導き出すための前座に過ぎない。とは言うものの、ミステリー仕立ての『吹雪に死神』(なんという微妙な伏線!)、物語のプロットを世に出し、あっと思わせる結末が楽しい表題作『死神の精度』も、個別の短編としては十分楽しめる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年12月11日
読了日 : 2014年12月11日
本棚登録日 : 2014年12月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする