新版 放浪記

3.50
  • (4)
  • (1)
  • (5)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 50
レビュー : 9
著者 :
へ〜たさん 小説   読み終わった 

昭和初期の作家はあまり読んだことがなくて、林芙美子もそんな作家の一人。いつか読んで見たいと思っていたのだが、先日、尾崎翠を読んだので、その勢いでまずは初期の代表作『放浪記』から。林芙美子と言えば時代の寵児、頭に超がつく売れっ子作家というイメージだったのだが、これはまだ売れる前の貧乏暮らしを赤裸々に綴った日記文学。詩、金、男、文学、酒、肉親に対する内心の吐露は、今読んでもドキリとするところがあるくらいで、当時はどれだけセンセーショナルだったのか想像もつかない。

新版と題されているのは、発表時期の異なる「放浪記」、「続放浪記」、その後の発表作をそれぞれ一、二、三部として収録しているため。時期的な重なりなどを無視して繋げられているため、作品としての完成度は低いし、冗長だが、生々しい息遣いはそのままに伝わってくる。つい先日まで新宿、林芙美子旧宅近くに住んでいたこともあり、抜弁天、余丁町、若松町など親しんだ地名が登場するのも楽しい。

レビュー投稿日
2016年6月5日
読了日
2016年6月5日
本棚登録日
2016年6月5日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『新版 放浪記』のレビューをもっとみる

『新版 放浪記』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする