悪名高き1950年代アメリカの「有害コミック追放運動」と、そこに至るまでの「コミックブック黄金時代」のアメリカン・コミック史を、数多くの証言を交えてまとめたドキュメンタリー。コミックや運動家だけでなく、「コミックから守られるべき」立場だった当事の若者たちの証言もあり、それらの中には、マーカーで線を引いてどこかで引用してしまいたくなる様なものも多い。表現規制やメディアビジネスの問題を超え、より広範で全時代的な様々な問題についての示唆も含んでいる。決して買い易い値段の本ではないので、図書館等で借りられてみてはいかがかと。余談になるが、この本で紹介されている「追放運動」がなければ、アメリカの漫画文化はより素晴らしいものになっていたかもしれないが、現在ほどのヒーローものの隆盛もなかったのではないかと思うと、なんとも不思議なものである。
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- 感想投稿日 : 2012年8月6日
- 読了日 : 2012年8月6日
- 本棚登録日 : 2012年6月1日
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