黙示録 (単行本)

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本棚登録 : 221
レビュー : 34
著者 :
hetarebooksさん 夢か現か。   読み終わった 

献本企画でパイロット版をいただきました。ありがとうございます。

が、レビュー投稿期日があったのですね、、、これ。申し訳ない。
ようやく上巻・下巻共に読み終えました。

一部のダンスに関しては見慣れている方だと思いますが、物語のテーマの一つでもある「琉球の美」としての楽童子たち、特にメインキャラクターである了泉・雲胡ら二人の舞踊対決が凄すぎてイメージしきれません。京劇や狂言、歌舞伎は見たことがあるのですが・・・
「指で笑う」シーンが多く、大衆もその動きに圧倒され琉球人に魅了されることになっていますが、そもそも指だけで「笑った!」って見ていて分かるのかな。。。

現実にはあり得ないようなことも自由に表現できるのが本のいいところだと思いますが、この作品は実写化に向かったとき自分でハードルを上げてしまっている感があるな。。

幻術を使い、稚児の若さを貪って肉体を蘇らせても実体は骸骨という与那城王子の設定は牡丹灯籠を彷彿とさせます。でも下品が過ぎるような。

最下層から這い上がってきた了泉と、努力と才能の人 雲胡。薩摩、江戸を経て琉球へ戻ってきた2人の今後が気になるところです。

ここから下巻へ…

貧しいニンブチャーから這い上がり、士族の地位も金も名誉も手に入れた了泉と雲胡には縁談も続々舞い込むのですが…慢心して心を無くした了泉は結局全てを失ってしまいます。

ニンブチャー(念仏僧)、安仁屋村に住み貧しく誰からも蔑まれる彼らは穢多非人に近い存在だと思うのですが、了泉の母のように病気をきっかけにそこにさえ居場所がなくなってしまうのは、昔本土でも実際にあったハンセン病のような差別の歴史を暗喩しているのか…クンチャーが天刑病とされ、見た目も醜く変えてしまい、実際には人から人へは感染しないのに隔離されるところなんかはそれとしか思えません。(と思って調べてみたらやはり、そうでした)

これまで蔑まれひどい目に遭わされ続けてきたとは言え、良心の欠片もなく、傲慢で身勝手な了泉の行動には読んでいて幻滅しましたが、物語上、一度徹底的に彼を堕とす必要があるので仕方ないか。

後半一気に厚みを増して面白くなってきます。

太陽しろ、月しろだけでなく、動と静、男と女、親と子、高貴と下賤、貧者と富者、美しさと醜さ、若者と老人、生と死など対比するテーマが混在して読み応えがありました。

レビュー投稿日
2013年10月29日
読了日
2013年10月29日
本棚登録日
2013年10月31日
7
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