ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)

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本棚登録 : 2479
レビュー : 330
著者 :
hetarebooksさん 夢か現か。   読み終わった 

「創作者の家」の管理人をしている「僕」の元に、傷ついた「ブラフマン」がやってきた。

黒く澄んだ大きな瞳、胴回りに比べてあきらかに短い四本の脚、水かきとひげ、首のつけねあたりに申し訳程度に付け足されたような目立たない耳、しっかりと太く胴の一・二倍の長さの尻尾、好奇心旺盛な渇いた小さな鼻先。

「碑文彫刻師」により、「彼」に与えられた名はサンスクリット語で謎を示す「ブラフマン」だった。

最後まで「ブラフマン」が一体なんの動物なのか明かされることはなく、ビーバーや貂、ダックスフンド…ウナギイヌまでも想像しながら読み進めた。

動物ってなんでこんなに可愛いのだろう、でもタイトルからすると…死の予感を漂わせる美しい文章に酔う。

またブラフマンを優しく諭し、動物の「彼」ときちんと言葉で意思疎通をはかる「僕」であるが、雑貨屋の「娘」への密かな執着は不気味に官能的ですらある。

「娘」に何も告げられないくせに、「娘」と「男」が古代墓地で何をするか知っていて、それでも「娘」にとり憑かれている「僕」…

泉鏡花賞受賞と聞けばなるほど、である。「ミーナの行進」が谷崎潤一郎賞なのはいまいち納得がいかないが。もう少し爽やかなイメージじゃない?

レビュー投稿日
2012年10月11日
読了日
2012年10月11日
本棚登録日
2012年10月11日
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