自分は何者なのか、悟り始めたビリー。作家となり、ニューヨークで暮らすようになるが、友人や元恋人たちにエイズ禍が…。大切な人々を病や事故、自殺などで次々と失い、自身も老いを迎えヴァーモントへ戻るビリー。継父の教え子と出会い、その保護者的役割を引き受けたり、セクシャルマイノリティの若者たちのため、政治的活動にも参加するようになる…。若き日には自己のアイデンティティを確立しようと、自分のことばかりにかまけてきた彼は60代になり初めて他者や社会としっかり向き合うようになった。
作家の生涯を自伝形式で赤裸々に描き、性的志向をまず分類化しようとする大衆からの好奇の目や差別、マイノリティであるがゆえの葛藤などを綴った本作はアーヴィングにとって「政治的な」作品となった。
この作品を発表した後、彼の息子が同性愛をカミングアウトしたそう。けして彼のために描かれた訳ではないそうだが、こういった作品がLGBTの人々に寄り添ったものであることを感じる。
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
人生論。
- 感想投稿日 : 2014年9月30日
- 読了日 : 2014年9月30日
- 本棚登録日 : 2014年9月30日
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