風の谷のナウシカ 豪華装幀本 (下巻)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198605629

感想・レビュー・書評

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  • 前の時代の人が、その時にはよかれと思ってやったことが、後々の人にとっては本当に必要かどうかは、分からない。どんな環境や時代においても、その時を生きる人には、喜びや希望を見出せるものなのではないかな。

  • 読み返し

    p442
    私たちの生命は風や音のようなもの•••
    生まれひびきあい
    消えていく

    p443
    たとえ、どんなきっかけで生まれようと生命は同じです。おそらくヒドラでさえ•••
    精神の偉大さは苦悩の深さによって決まるんです。
    粘菌の変質体にすら心があります。
    生命はどんなに小さくとも外なる宇宙を内なる宇宙に持つのです

    オーマに名前をつけるところは素敵だった

  • (上巻より承前)

    ヴォリューム自体が違いすぎるので比較しても仕方がないのだが、物語の豊かさと広がり、SF的設定の複雑さでは、圧倒的に原作の方が上。途中であまりにもスピリチュアルな要素が前面に出てくるのはいただけないが、これだけ広げまくった風呂敷を、大SFとしてまとめあげた力業は凄いものだ。
    終盤に明かされる秘密は『宇宙戦艦ヤマト』の小説版を思わせるものがあり、映画とはまったく違うキャラで登場する巨神兵は『アイアンジャイアント』そのもの。そして最終的な物語の着地点は『もののけ姫』に通じるところがあり、あの作品がナウシカのリブートだったことがさらに明白になる。
    そして宮崎駿は、良く言えば、この原作漫画で言いたいことを全て言い切っている。悪く言えば、この原作漫画で全てのネタを全て出し尽くしている。この原作が完結したのが1994年。そのエッセンスをアニメとしてリブートした『もののけ姫』が1997年。物語作家としての宮崎駿は、もうそこで完全に終わっているわけで、それ以降の彼の作品に私がほとんど心惹かれない理由がよく分かった。
     
    もしナウシカをまた劇場映画化するなら(その価値はありすぎるほどある)、昭和のアニメの続編などではなく、この原作全体をうまく脚色して、それぞれ2時間強の作品の前後編としてまとめてもらいたいものだ。同時にNetflixでの完全映像化も期待したい。私が生きている内に実現するかな〜。
     
    これだけ長く、本として分厚く重いと(笑)、そう簡単に読み返せる代物ではないが、本当に引退したらまたじっくり読み返すとしよう。いずれにせよ私が死ぬまで家に鎮座することは間違い無い。この2日間、映画と原作漫画、両方にわたってナウシカワールドを堪能させていただきました。

    それにしても伊達に豪華本を名乗っているわけではない。20年以上寝かしておいたのに、紙の変色等が微塵も無い。あの雑誌みたいな普通の版では、こうはいくまい。値段は5800円(消費税3%込み)×2と高いが、1997年の印刷で微塵も劣化が見られないのだから、余裕で50年以上はもつだろう。陽の当たるところに置いたりしなければ、多分100年後でも問題ない。私の死後も、誰かがこれを美本のまま読んでくれるかと思うと、ロマンを感じる。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566571

  • この話を作るところまでは他の方にもできるかもしれないと思いますけど、この世界観をゼロから構築するというのはただごとではないと思います。あと…当たり前のことを言うようですけど、恐ろしく絵がうまい。宮崎駿氏、改めてすごい。子供の頃に宮崎アニメをリアルタイムで観られたのはすごく運のいいことでした。

    この作品を完全に理解できたかと言えば怪しいですけど、数年置いてまた読み返したい。当たり障りない感想になりますけど、チヤルカとチククが死ななくてよかった!

  • 宮崎 駿のオリジナル長編物語「風の谷のナウシカ」
    映画で描かれていないところまで、全編収録(下巻)

  • 一気読み。
    この世界を生み出したのは、本当にすごい。
    ナウシカがいろんな人を結びつけていくけれど、
    言われているような「女神さま」ではなく、
    生身の人間。苦悩もするし、きれいごとでは
    済まされない世界の中でいろいろな人に守られて
    生きている。過去でも未来のためでもなく、今のために。
    上巻には解説があったけど、下巻は冒頭にカラーピンナップがあるだけで物語の余韻を邪魔しないのも良い。

  • もがきながらも生きて行く、その度に発生する幸せも悲しみも美しいものだと言われてる感じ。
    思考が高次元過ぎてついて行くのが大変!

    でも、楽しいです。
    アニメを観る目が変わってそうなので、また観たくなりました。

  • アスベルとナウシカが全然絡み無い。。

    ユパ様とテトも違うし、僧侶や森の人や不思議な力を持った少年も登場するし、
    鋼の錬金術師の初期アニメのようにまるで設定が違った。。

    蟲や古代の事など、映画では明らかにされなかった事も詳しく展開するが、ちょっと難しい。。
    今回読みきるのに必死になったけれど、また、機会があればじっくり読んでみたい。

    クシャナの父親、国王の遺言が へ~。。 と。
    皇弟様同様、
    最初はヤル気に満ち溢れた人ほど、挫折したら堕落していってしまうのだろうか。。

    そういった人間模様も描かれていて、スピンオフとかあればなぁ、。。と思ってしまった。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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