昭和30年,新卒の井上明子は故郷を離れ――その際,父からは方位磁針(コンパス)を贈られた――,伊賀の山里にある小学校分校に新任教師として赴任,小学4・5年の6人の担任になる。無邪気な生徒もいる反面,事情を抱えて屈折している生徒もいるが,徐々に心を通わせて行く。自然の描写も人々の会話や交流の様子も美しい。多島氏はスパイ小説・冒険小説・ホラー小説・ミステリで知られる(創元推理文庫の『黒百合』はお薦めです)が,こんな温かな物語も書いていたとは。
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2019年2月11日
- 読了日 : 2017年1月16日
- 本棚登録日 : 2018年10月8日
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