「太陽がいっぱい」、「見知らぬ乗客」の、という二作品の名がついてまわるパトリシア・ハイスミスだが、著者のうまさはやはり人間の心理や情緒の襞に絡んでくるサイコスリラーの数々に表れていると思う。
この短編集もそうした11編が楽しめ、特に「うちにいる老人たち」が持つ不条理さがなんともいえない後味を残す。叶わぬ望みだが、もう一度「妻を殺したかった男」や「ふくろうの叫び」といった傑作に劣らない長編の新作を読みたかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2011年11月20日
- 読了日 : 2011年11月20日
- 本棚登録日 : 2011年11月6日
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