明治維新と幕臣 - 「ノンキャリア」の底力 (中公新書)

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本棚登録 : 187
レビュー : 18
著者 :
hikarujさん  未設定  読み終わった 

この本のタイトルは妥当ではない。実際のテーマは「明治維新と無名の幕臣」になるだろう。
政治と行政を分けるのは、政治の世界に関心の低い人々には分かりにくいかもしれない。
ただし、その間には動と静、明確なボーダーラインがある。
日本では江戸時代から、そこにきちんとした線引きがなされてきたからこそ、全国を揺るがす内乱が起きなかったといっても過言ではない。
武士の一分という言葉があるように、行政官の一分が庶民の生活を支える行政を担ってきた。
江戸時代から現代まで脈々と受け継がれている社会の安定を第一に考える役所の世界は、社会的な革命期である明治維新期にも受け継がれたことをこの著作は示している。

家庭や民間企業では、組織の中心人物がいなくなれば、そこにいる人物は動揺を免れない。
しかし、江戸幕府がなくなって将軍がいなくなっても、日本中の奉公人の大半は粛々と自らの仕事を進めていた。
お役御免になった組織の長も、次のリーダーに従うようにと伝言を残して静かに組織を去っていった。
改めて、なんと凄い国家なのだろうかと感銘を受けざるを得ない。
しかし、だからこそ、その行政マンが怠慢になった世の中は非常に恐ろしい事態が起きないかと危惧もしてしまう。
幕末をみて、現代を省みると、いろいろなものが見えてくる。またその感覚を強めた一冊であった。

レビュー投稿日
2015年1月22日
読了日
2015年1月22日
本棚登録日
2015年1月22日
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