ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

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レビュー : 560
制作 : 山岡洋一 
hilite10982さん マネジメント   読み終わった 

ビジョナリーカンパニーとは何か?
サンプリングの条件設定として、単に成功しているとか、長続きしているといっただけではなく、その業界で長期にわたって超一流といわれる地位を確立している会社としている。
著者は18社を選んで、同業種のナンバー2の会社と比較し、その違いを分析して、超一流企業の条件を洗い出している。最終的に、言っているのは次の4点。

1.時を告げる予言者になるな。時計を作る設計者になれ。
2.「ANDの才能」を重視しよう。
3.基本理念を維持し、進歩を促す。
4.一貫性を追求しよう。

噛み砕いていえば、1.はカリスマ指導者に頼るな、ということ。特別な才能を持った経営者が在任中に業績を伸ばしても、その人がいなくなったら組織がガタガタになるのではビジョナリーカンパニーとはなり得ない。特別な才能で時を言い当てるのではなく、だれもが使える時計(組織・仕組み)を作ることに専念すべきということ。

2.は、ビジョナリーカンパニーでは、「利益を超えた目的」と「現実的な利益」といった、一見相反する目標を同時に追及しているということ。要は、目的か利益かといった「OR」ではなく、目的も利益もという「AND」を追求している。ビジョナリーカンパニーでは、二兎を追って二兎を得ているということ。

3.は、あくまでも基本理念にこだわることの重要性。時代や社会の環境が変化して、組織がそれに合わせて進化していっても、まるで遺伝子のように、その基本理念自体は変わらないということ。

4.は、ことばの通りだが、いくら美しい基本理念を持っていても、実際の経営の場面で、それの精神が一貫して実現されていなければビジョナリーカンパニーとはなり得ないということ。

この他にも、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)を設定すること、すなわち、安定志向ではなく、社運を賭けた大胆な目標を掲げること。カルトのような文化をもち、基本理念に則った企業文化を形成すること。環境の変化に対応するために、ある程度の失敗は認め、数多くの試みから適者生存するものを作り出すこと。経営トップには生え抜きを据えること。以上のようなことが、例に挙げた18社に共通する傾向だったという。

この中で一番困難なことが、一貫して理念を尊重しながら、環境の変化に合わせて事業を適応させていくことだと思う。そういった能力をもった組織を作るのに、多くのビジョナリーカンパニーが、トップの育成制度を設けているという指摘があった。それは、当然ながら経営を引き継ぐはるか以前から計画化されており、その中で、基本理念が継承され、次の世代、またその次の世代に受け継がれるように仕組化しているという点が、自社の弱点と照らし合わせて非常に興味深かった。

レビュー投稿日
2012年7月15日
読了日
2012年7月15日
本棚登録日
2012年7月15日
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