イギリス海岸

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  • 青空文庫 (2010年10月24日発売)
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感想 : 2
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私は、以前、宮沢賢治の作品を読んだことがあり、ちょっと題名が面白そうだと思い、気になって手に取り読んでみました。
初め、この本に興味を持った時は、イギリス海岸という名前で、イギリスでのお話なのかな?もし、イギリスでのお話だとしたらどんなことが書かれているんだろう。そして、イギリスでのお話だったら面白そうだなと思い、少しずつですが読み始めることにしました。
しかし、この本は、宮沢賢治自身が岩手県出身ということもあり舞台は岩手県花巻市にある北上川海岸でした。本当のイギリスでのお話ではなく、イギリスのドーバー海峡の白亜の海岸を連想させる泥岩層が露出することにちなんで、宮沢賢治がイギリス海岸と名付けた場所です。作品「イギリス海岸」の中で「全くもうイギリスあたりの白亜の海岸を歩いてゐるやうな気がするのでした。」と記していて、宮沢賢治にとっての憧れからこの名を付けたといわれています。 また、当時、農学校の先生をしていた宮沢賢治とその生徒により呼ばれていた名称です。また、国の名勝のでもある、「イーハトーブの風景地」の一つとされています。しかし、現在は北上川水系のダム整備による河川管理が進んでしまい、なかなか水位が下がらなくなってしまったため、宮沢賢治が見ていたような川床はほとんど見られません、また、泥岩層を見ることが難しくなっている状況です。しかし、毎年、宮沢賢治の命日である9月21日には、関係各所の協力で、5つのダムや猿ケ石発電所の水量を調整して、川の水位を下げる試みをしています、そして「イギリス海岸」と調べてみると現在のイギリス海岸をライブ配信しているサイトもありました。
また、このイギリス海岸の近くのバス停留所のある道路は以前、宮沢賢治の「銀河鉄道」のモデルになった岩手軽便鉄道が走っていたと言われています。
このお話を簡単にいうと、この「イギリス海岸」でのお話は、は石や地質に興味があった宮沢賢治と農学校の生徒たちの実話のお話です。そして、とある日いつもの実習の時間に見つけた足跡の化石に夢中になり、採取を試みるお話です。
この本のお話は、実習の話だけではなく岩手県の自然やのんびりとした田舎の時の流れを感じることができるお話でした。読んでいてどこか心地が良く、面白いお話でした。いつか、もし機会があれば、このイギリス海岸のもとにとなった岩手県花巻市にある北上川海岸を訪れてみたいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月20日
読了日 : 2021年10月11日
本棚登録日 : 2021年7月5日

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