「成功」と「失敗」の法則

著者 :
  • 致知出版社 (2008年9月24日発売)
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オススメの一言「成功に特別な方法はない」

 洗面所で自分に対して、「自分の馬鹿!」と言ったことはありますか?私は正直に言うと、数えられるくらいはあると思います。前日の飲み会で人に迷惑をかけてしまったり、ああいう言い方、行動は止めておいた方がよかった、と思うようなことをしてしまったりするときにふいに口に出ます。著者の稲盛和夫さんも、時折自分に対し、洗面所で「けしからん!」、「バカもんか!」と責め立ててしまうと著書には書いてあります。ただ、それは私との決定的な違いは自分を「至らない」、「利己的だ」と反省しているところです。

 著者の稲盛和夫さんは、27歳で京セラを創設し、後に第二電電(現・KDDI)を創業した技術者です。著書は、雑誌にバラバラの時期に掲載したものをまとめたものなのですが、読んでいると、一貫性があることが分かります。それは、「世のため人のために」と常に考えているという点です。著者は他人を思いやる心や、善き思いこそが善き結果を導くと考えていて、自身が創業した第二電電は私心を捨て、国民のために通信費を下げたい、という思いがあったから成功したのだと語っています。

 この本のタイトルに出てくる「成功」。オススメの一言にもあげたのですが、「成功に特別な方法はない」と著者は言います。とにかく一生懸命、成功への燃えるような情熱を持ち、先頭を切って誰にも負けない努力をすること、二宮尊徳の教えに従って実践したことが成功に繋がり、また人生において何が大切かを示唆してくれたそうです。

 他人のために、一生懸命仕事をする。最近の自分の行動を思い起こしているとバイトのことが思い浮かびました。私の働いている居酒屋では、お客さんの飲み物がなくなったら次に何を飲むか聞いたり、灰皿の中に吸い殻が溜まったら交換したりすることが決められています。最初の頃は一生懸命やっていたのですが、仕事に慣れてきたせいか、最近ちゃんと出来ていないな、と思ってもまぁいいや、で済ませてしまうことがありました。接客業だからこそお客さんに喜んで貰うために、また不快な思いをさせないために、次から働くときは、基本的なことに加えて、忙しい時だからこそこまめにトイレの清掃をしたり、お皿が汚くなっていたら交換をしたりすることを心がけていきたいと思います。

 最近うまくいっていない、自分を見つめ直したいときに、この本を是非読んでみて下さい。はっとさせられる文章があなたの胸をつくと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ゼミ用ブックレビュー
感想投稿日 : 2011年8月9日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年8月9日

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