『キャロル』 映画前売券(ムビチケEメール送付タイプ)

  • ムビチケ
2.80
  • (0)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 10
感想 : 3
3

これは艶やかな視線の映画。視線を交わし合うたびに物語が進み、官能性を帯びる。歳末のデパートで出会うルーニーマーラと客のケイトブランシェットが初めて視線を交わし合うシーンのことである。

モーテルでケイトブランシェットに発たれ、車に乗り込んだルーニーマーラが虚空を見つめる視線と表情をフロントガラス越しに捉えたショットや、ラストのケイトブランシェットの微笑で巻く引きとなるのだが、それを見つめるルーニーマーラの「どうしようもならず、やってきてしまった」という感情をもって不安げに見つめている表情が、大変素晴らしい。

個人的には、ケイトブランシェットより、ルーニーマーラの方が良かった。

ラストは、結→起承転結→完と、ストーリーをきちんと循環させた点も好印象。万人受けするとは、こういう映画か。




【ストーリー】
1952年、ニューヨーク。ジャーナリストになるためにマンハッタンに出て来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、デパートの玩具売り場でクリスマスシーズンの臨時アルバイトをしている。テレーズには、なかなか結婚には踏み切れないでいるリチャードという恋人がいた。そんなある日、テレーズの前に、娘へのクリスマスプレゼントに人形を探している女性キャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。エレガントで洗練された美しさを持ち、裕福そうなのにどこかミステリアスな雰囲気を醸す彼女に、テレーズはたちまち心を奪われる。

送り先伝票からキャロルの住所を知ったテレーズがダメ元でクリスマスカードを書くと、すぐにキャロルから連絡が届く。二人は会うようになり、キャロルは離婚訴訟真っ最中の人妻で、娘の親権を巡って泥沼の争いをしていることを知る。婚約者からの求婚のプレッシャーや、これからのキャリアに対する不安からストレスを感じているテレーズは、クリスマス休暇に別居中の夫に娘を取られて孤独なキャロルから車での小旅行に誘われる。テレーズは生まれて初めて本物の恋をしていると実感し、キャロルとの愛の逃避行に出発するが、この旅がきっかけで二人の運命が思いがけない方向に向かうとは、まだどちらも気づいていなかった。

『太陽がいっぱい』のパトリシア・ハイスミスの小説を「エデンより彼方へ」のトッド・ヘインズが監督した恋愛ドラマ。出演は、「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェット、本作でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したルーニー・マーラ。1952年のニューヨークを舞台に、人妻と女性店員の恋の物語をつづる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2016年3月18日
読了日 : 2016年2月15日
本棚登録日 : 2016年2月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする