齋藤 孝がお勧め本50冊の要約、読みどころを紹介。
斎藤氏は「三色ボールペン」の本や「○○力」でおなじみの人。なかなかの多作ぶりで、分かりやすい言葉で伝えてくれる。
50冊中、読んだことがあったのは村上春樹「中国行きのスロウボート」、サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」、辺見庸「もの喰う人びと」、スティーブン・キング「小説作法」の4冊。どれも印象的な本だった。ということは、ここで取り上げている他の本も外れはないのだろう。
キングの「小説作法」については以前にこのブログでも取り上げている。
現代人は時間がない。そんな中、良書をてっとり早く見つけるには、こうした要約本が助かる。
紹介本の中で手に取ってみたいと思ったのは岡本太郎の「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか」 (青春文庫)だ。この本を読むまでもなく、岡本太郎の言葉の強烈さは知っているが、「この本はどこから読んでもインパクトがある」と斎藤氏は書いている。
同書の冒頭からはこんな一文を引用をする。
「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
人生に挑み、本当に生きるには瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなればならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい」
僕なんか、人間が小さいのか、グジグジ悩んだりする。こんな力強い言葉を聞くと、読もうかなって思うわけです。
- 感想投稿日 : 2010年8月13日
- 読了日 : 2010年8月13日
- 本棚登録日 : 2010年8月13日
みんなの感想をみる