MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク

  • 東洋経済新報社 (2010年6月18日発売)
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”久々の野中本。人事担当にうつった今の問題意識と妙にシンクロ。「MBO(Management by Objectives)より MBB(Management by Belief)!」

<読書メモ>
・厳しいかもしれないが、楽しく仕事をし、人とのつながりもよくなり、社会や世界にも貢献できる、そんな仕事の仕方とは何だろうか。これが本書の主題である。(p.2)
★MBBの定義(p.25)
 「会社の目標や組織の背景にある経営陣や上司の思いと、自分自身の仕事やキャリアに対する想いをぶつけ合う『創造的対話』によって、会社にとっても自分にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを設定して、実行していくこと」
・高貴な「思い」を持った社員のいる会社はパフォーマンスが高い。思いを持った人がどれだけいるか、それが企業の力を左右する。これからは、思いのある人材を育て、彼らが思いを闘わせながら真剣に議論し、切磋琢磨され共有化された思いを真摯に実行する組織でないと生き残れない。(p.54)
・思いをもった組織の基盤のありか(p.54)
 ?自律自走型で、あきらめないプロデューサー型社員の誕生
 ?行動・体験・実践重視
 ?考える組織、常識を疑う組織、コンプライアンス志向の組織
 ?自ら枠を壊し横串で仕事を改革する大きな当事者意識
 #これ、わかる!
・図表4:MBOとMBB(p.109)
 #やらされ感のある目標管理(MBO)ではなく、思いの連鎖・ビジョンの連鎖を築くMBB。
・MBOにおいて実行はPDCAサイクルでフォローするが、MBBではいかに自分なりの、もしくは組織なりの知が創造できたかという「SECIモデル」でフォローしていく(p.115)
★仕事への思いはパッションである。そのパッションが本物であれば、夕方5時になって終業したからといって、それとともに消え失せる性質のものではないだろう。(p.121)
 #そう思う。「WLB を重視する風土」浸透の弊害
・人事部をはじめとする管理部門
 人生を積極的に生きる思いを持った社員が生き生きできる組織をつくり、彼らをサポートし、育成するためには(中略)自らも「思いのあふれる管理部門」となり、新しいことに好奇心の尽きないチャレンジ精神あふれる「サポート部門」になる必要がある。(p.122)
・ビジョンを具現化する三つの数値(星野リゾート)
 - 顧客満足度 2.5(-3?+3)
 - 利益率 20%
 - エコロジカルポイント 24.3
 3つの数値の同時達成はいまだ果たせていない。だが、社員全員が同じ目標に向かい、考え、努力することに大きな意味がある。(p.129-130)
・星野流の仮想敵(p.139)
 「『うちもリッツ・カールトンになろう』なんていっても社員は燃えません。しみじみしません。だから、むしろ、『ペニンシュラを日本から追い出すんだ』といったほうが、意気が上がるのです」
 #★「業界平均以上の利益率を!」では燃えない…
・レコフ 吉田氏の黒子的喜び(p.150)
 「私たちは触媒です。(略)
  案件をまとめて5?10年たったときに、『あのときの会社がここまで大きくなったか』と一人ほくそ笑む仕事なんです」
 #この喜び、よくわかる!
・業務目標に関する2つの軸
 横軸:所与の業務上の目標を達成する力
 縦軸:個人として思いを持って、高い理想を描く力
★日常の対話のプロセスで「思い」を高質化する(p.184)
 #考える習慣、考えを書き留める、投げかけや対話→セルフコーチング
・ソーシャルデザイン・リーダーシップ(p.202)
 多摩大学大学院教授の紺野登氏 命名。
 人々をつなげ、思いを語り合い、新たな関係性を想像していく役割
★戦略は人事に従う(p.207)
 人事が現場を回り、だべり、愚痴を聞く中で自然に現場の人間に内面化された環境認識や市場観をつかみ、組織の勢いをマネジメントする暗黙知を得ていく。現場の持つ環境認識の適切な解釈と組織運営への反映が人事の力量だ。
 #できてる?
 創発的な組織の人事に大事なのは、「プロセスをつなぐ力」だ。現場(フロントライン)の実践から学ぶ力、ビジョンと現実を踏まえた判断力、対話や協同し合う共創の能力などがそこには含まれる。
★知創人事部(Knowledge-creating HRM)(p.208-209)
 個別人事の基本は人事異動。MBOの世界の人事異動では機械的な玉突き人事が横行する。(略)そこには、人の思いを汲むという発想や、異動によってその人の知の文脈を形成し、成長をケアしようという意図はない。知の文脈を無視した異動である。
 #むむむ…、そうならないように。
 本人がどういうキャリアを歩みたいのか、もしくは会社側がどういうキャリアを歩ませたいのか、また本人の夢に近づくプロセスはどう想定されるのか、などの観点を会社と本人が共有する必要がある。
・MBB型の人事評価(p.211)
 本人の思いを磨き、育てているかどうか。思いへのコミットメントが高いかどうか、思いを他者と共有し、思いのネットワークを形成する力があるかどうかを試すことが重要になる。
・人事企画部や人材開発部門のスタッフには、知の窓口として社外のアカデミアや海外の人材育成の専門家を積極的に迎え入れるべきだ。→コンセプト能力を磨く(p.214)
・レトリックにより巧みな言葉やたとえを用いることで人々を感動させ、ビジョンに賛同してもらえるわけだ。(p.214)
★出会い、配属、マッチングが大事(p.217)
 「あの人は熱いものを持っている」「あの人はよく勉強をしている」「あんな人になりたい」「あの人みたいに頑張ってみよう」
 →ロールモデルを持つ
・「思い」のピラミッド
 しみじみ感のある思いをあぶり出すための5つの問い
 1.WHATを語る
 2.背景を知る
 3.ストーリーを語る
 4.しがらみを語る
 5.ポリシーを語る
★そもそもコミットメントとは強制されるものではない。(略)「自分はこの仕事、この業務課題を何が何でもやり遂げたい」という個々人の「思い」から生まれてくるものなのだ。(p.256)
・思いのない論理は無意味であり、論理のない思いは危険でもある。(p.259)
 #思いと論理は二律背反ではいけない
・場を企業の中に縦横に生み出し、思いを語り合う生き生きした集団になってこそ、創造的な仕事ができるのだ。(p.259)”

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年8月15日
読了日 : 2010年8月9日
本棚登録日 : 2019年8月15日

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