人間塾2023/9課題図書として。

読書状況 積読

本書では、「学習は手段なのか?」という問いかけから始まり、いわゆる「人材育成的視点」へ疑問を投げかけ、経験学習論さえも「突貫工事のエキスパート」を生む危険性があると訴えます。

最終的には、「学習を解き放つための判断の醸成」や「他者と関わって自分を揺さぶり、未来像を探索する対話的プロセス」こそが、いまを「働き、生きる」ための学びなのだという理解に至りました。

他にキーワードとして印象に残ったのは、以下です。
・「学習棄却」ではなく「学びほぐし」としてのアンラーニング
・漢方薬としての「越境」&外科手術としての「ワークショップ」
・個人の主体性(多様性)x他者との協調性 → 違うのに、連携できるコラボレーション

本書読了後、芋づる式に積読中の書籍へと手が伸びました。最初に手に取ったのはウダガワさんの『他者と働く』。エスノグラフィー(参与観察+物語り)的な観点が呼び寄せたようです。

2022年1月11日

読書状況 読み終わった [2022年1月11日]

PowerPoint で資料を作るビジネスパーソンには必読の一冊。

まず、スライド形式での資料をどうデザインすべきかについて、ビジネス現場で成果をあげてきた法則やポリシーが惜しげもなく披露されています。(楕円や角丸四角は使わない→正円と長方形のみにする。矢印はなるべく使わない。色数減らしを具体的にどうするか等)

そして、PowerPoint スキルについては技が満載! 「あのメニューはそう使うのか!」「え、そんなことできたの!?」というテクニックやTipsに、まさに目から鱗が落ちまくりでした。(禁則処理設定、図形の接合、表の詳細設定、スライドマスター活用の真髄 等)

自らの無知に「痛たたた…」と思いながらも、楽しみつつ次々にページをめくってしまいます(480ページもあるのが嘘のように読み進めました

2021年10月20日

読書状況 読み終わった [2021年10月20日]

リベラルアーツの重要性。
どこかで聞いたことのある理論と人名が多いものの、説明できるかと言われれば心許ない(というか、ソラで語れるものがいくつあるか…)

出逢ったときに説明を貯め、ことあるごとに語りアップデートしていこうと思えた読書体験でした。

2021年10月21日

読書状況 読み終わった [2021年10月21日]

キャリア研修をはじめるにあたり、手を伸ばした本。
個人と組織が主従関係ではなく、「共に成長し合う対等な存在としての関係」が描かれている。キャリア開発をボルダリングに喩えているのが秀逸。

※原書は2012年出版されたあと、2019年に第2版が出版されている(日本語版は第2版が元本)

<キーフレーズ>
・Help Them Grow or Watch Them Go(成長を支援するか、辞めていくのを傍観するか)

・キャリア開発とは、他者の成長を支援すること。それ以上でも以下でもありません。(p22)

・メンバーが自分自身を取り巻く世界について知ることができるような場をつくり出して欲しいのです。(p70)

★キャリア開発をボルダリングとして捉えると、検討できる範囲が広がり、さまざまな仕事を試したり、楽しんだりすることができます。そして、個人のキャリア・ビジョンに合わせて、どんな方向にも踏み出すことができ、ほぼ無限の可能性を提供してくれます。(p80)
 #寄り道する、上に向かう、横に移動する、下に下りる
 #この意識を当人だけでなく人事部も持つべき

・「マネジャーがすべてやる必要はないのです」。自らがもつネットワークを駆使して、メンバーが必要な学習機会を得られるようにサポートしましょう。キャリア・サポートに関わる人が多ければ多いほどよいでしょう。(p104)
 #社内だけでなく、社外ネットワークも活用して。

・学習は選択するものです。そして、その選択は本人の主体性に委ねられています。メンバーが積極的に行動し、学びを得ようとしなければ、意味がありません。(略)自らの学習に対して責任をもつのは、メンバー自身であるべきです。(p109)
#課題の分離!

・ヒントに気づく感受性と書きましたが、考えてみれば、これはある種の好奇心として捉えることもできます。(p116)

★キャリア開発を語るとき、カルチャーはとても重要な要素です。
 人の成長を支援するようなカルチャーは、階層や職位、ルール、慣習や常識、感情を超えて、組織全体を変えていく力になります。(p122)
 #ここ重要! カルチャーフィットした形でアプローチすべき

※「成長を支援し合うカルチャー」の5つの基本特性(p123-)
 ・情報のオープンさ
 ・好奇心
 ・成長プロセスに対する寛大さ
 ・結果へのフォーカス
 ・組織・チームの協会の曖昧さ

★良いカルチャーを生み出すために、できることから始めましょう(p135)
 #うじうじ悩んでいないで、マネジャー同士で議論をし、共感できる人同士でまずはできることから始めよう

2021年11月21日

読書状況 読み終わった [2021年11月21日]

・啓蒙とは何か?
 /人間が、自らた招いた未成年の状態から抜け出ること
・未成年の状態とは?
 /他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができない
・人間が未成年の状態に理由は?
 /自分の理性を使う決意も勇気ももてないから

読書状況 積読

中国最古の歴史書であり、古代の君主や臣下の言行が記録されている書経。伝説の名君主・帝王とされる堯や舜から、秦の穆公(ぼくこう)までが登場。

個人的に大きく印象に遺ったのは、皋陶謨 篇での「九徳」。
皋陶が帝兎に語ったとされるこの9つのフレーズは、人生三度目の出逢い。

「寛容であるが威厳のあること。穏やかであるが仕事の能力があること。謹厳ではあるが礼儀を欠かないこと。能力はあるが誇らないこと。柔順ではあるが果断であること。性質がまっすぐであるが温和であること。大きな視点を持っているが細かいところまで気が付くこと。さっぱりしているが篤実であること。強い意志を持つが正しさから外れないこと。」

君主がもつべき基準でもあるが、臣下を登用するための基準としても九徳が言及されていることを知れたのが収穫だった。

※note にも記録
https://note.com/hiroc_sk/n/n4251a1a4f79b

2021年10月30日

読書状況 読み終わった [2021年10月30日]

岩波文庫『自省録』(マルクス・アウレーリウス)の訳者でもある神谷美恵子さんの著作。
ハンセン病患者を精神科医師の立場で接するなかで肉付けされた「生きがい」の喪失と発見についての考察は、深く考えさせられる。

死別や事件・事故、受刑など他の理由で生きがいを失った人だけでなく、日常生活をつつながく送りながらも生きがい感に満たされない僕らへも「心の世界」と通じることを説いた一冊。

>これらの病めるひとたちの問題は人間みんなの問題なのである。であるから私たちは、このひとたちひとりひとりとともに、たえずあらたに光を求めつづけるのみである。(p.282)

2021年8月27日

読書状況 読み終わった [2021年8月27日]

橋本左内が次の5つを説いた覚書である「啓発録」。
15歳でこの5項目を挙げていること、各項目がロジカルにつながっていることに驚いた。

一、稚心を去る ── 去稚心
一、気を振るう ── 振気
一、志を立つ ── 立志
一、学に勉む ── 勉学
一、朋友を択ぶ ── 択交友

”述べてきた5項目は、これから学ぼうとする初心の者にとって、私が「最も大切なこと」と考え、書に残したものだ。”

2021年7月24日

読書状況 読み終わった [2021年7月24日]
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貝原益軒 83歳のときの著作。
「人生を楽しむ」という大目的のために、長生き(長寿)する。そのための「養生」という流れ。医者ではなく儒学者の益軒が、古くから伝わる養生の術を「道」にまで高め、次の世代やさらなる子孫へ伝えようと、並々ならぬ意欲で書いたもの。
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ともかく人生は、楽しむべきである。短命では全世界の富を得たところで仕方のないことだ。(略)それゆえに、道にしたがって身体をたもって、長生きするほど大いなる幸せはないであろう。(P30)
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儒者らしく、論語からの引用も多数ある。また、「孝」の意識もつよくあり、こんな記述が総論上にある。
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 ひとの身体は父母を本(もと)とし、天地を初めとしてなったものであって、天地・父母の恵みを受けて生まれ育った身体であるから、それは私自身のもののようであるが、しかし私のみによって存在するものではない。つまり、天地の賜物であり、父母の残して下さった身体であるから、慎んで大切にして天寿をたもつようにこころがけなければならない。
 これが天地・父母に仕える孝の本である。(P29)
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なお、実践的な養生の術については以下のような記述も気になった。

◎内なる欲望と外なる邪気
 養生法の第一は、自分の身体をそこなう物を除去することである。身体をそこなう物とは内から生ずる欲望と外からやってくる邪気とである。
 前者は、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、言語をほしいままにする欲や、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七情の欲をいう。後者は、風・寒・暑・湿の天の四気をいうのである。

◎心を平静にして徳を養う
 心を平静にし、気をなごやかにし、言葉を少なくして静をたもつことは、徳を養うとともに身体を養うことにもなる。

◎唾液は大切に
 唾液は身体のうるおいである。血液となるものである。
 草木もうるおいがないと枯れる。そのように唾液は大切なものである。唾液は内臓から口中に出てくる。大切にして、吐いてはいけない。なお遠くへ吐いてはさらにわるい。体に力がいるので気がへるからである。

◎五思
 ものを食べるときに考えなければならないことが五つある。それを五思という。一つは、この食は誰から与えられたのかを思わなければならない。(略)
 二つは、この食は農民の苦労によって作り出されたことを思わなければならない。忘却してはならない。(略)
 三つは、自分には才能も備わった徳もなく、さらには正しい行いもなく、君主を助け、人民を治める苦労もないのに、こうしたおいしいものを食べることができるのはひどく幸せであると…(略)
 四つは、世間には自分より貧しいひとが多い。(略)自分は上等なおいしい食事を十分に食べて飢餓の心配はない。これは大きな幸福というべきであろう。
 五つは、(略)いまは白い飯をやわらかく煮て、十分に食べ、しかも吸物があり、惣菜があって朝夕の二回にわたって十分に食べている。そのうえ酒があって心を楽しませ、気血をたすけている。
 朝食や夕食をするたびに、この五思の中の一つでも二つでもよいから、かわるがわる思い起こして忘れてはならない。そうすれば、日々の楽しみもまたその中にあることに気づくであろう。

◎食後の口内を清潔に
 食後には湯茶で口中を数回すすぐのがよい。口の中を清潔にし、歯にはさまったものを取り去ることができる。牙杖(げじょう:つま楊枝)を使うのはよくない。

◎酒は天の美禄
 ほどよく飲めば陽気を助け、血気をやわらげて食物の消化をよくし、心配ごとをとり去り、興を生じてたいそう利益になる。ところが、多く飲むとひとを害する。(略)たとえば水や火は人間をよく助けるが、同時に災いをもたらすようなものである。

◎膝から下の健康法

2020年9月27日

読書状況 読み終わった [2020年9月27日]

般若心経そのものの解説の前に、「仏教の立場」という章があり、チベット仏教 最高位者としての解釈がきけて興味深かった。

・菩提心という利他の心
・一切衆生の歓喜/究極的な幸福
・般若波羅蜜多の真言「ぎゃーていぎゃーていはーらーぎゃーていはらそうぎゃーていぼーじーそわか」=「行け、行け。越えて行け、完全に越えて行け、悟りの土台に留まれ」という意味になる(P171-172)
・自他等換…私たちは皆、一つの共同体、つまり複雑な組織の成員であるから、個人の身に起こった悪い出来事は、共同体全体に大きな影響を与える。同様に、共同体全体に何かが起きると、個々の人々にもその影響が現れるのである。(P187)

2020年9月27日

読書状況 読み終わった [2020年9月27日]

うまくは説明できないのだけれど、とても詩的な世界観。
前半のお惠ちゃんとの話もはかない感じだが、後半さいごの友だちの姉様の描写も気になる。ばあやと3人での最後の晩餐シーン。なぜただの豆腐があんなに旨そうに思えるのか!

2020年6月7日

読書状況 読み終わった [2020年6月7日]

購入は数年前のクリスマス。妻へのプレゼントとあわせて自分用に…。
各章で紹介されている書籍が、参加している古典読書会とも一部かぶるものがあり、興味深かった。

なお、あとがきに書かれた若松さんの文章書き体験の話につよく共感した。案外、スタートはそんなところにあるのかもしれない。まず心の赴くままにかいてみよ。

2020年6月7日

読書状況 読み終わった [2020年6月7日]

手紙屋の続編であり、謎解き本。
登場人物がやや被っていてネタバレになるので、両方読もうという人はこちらを後にしたほうが楽しめる。

2020年3月19日

読書状況 読み終わった [2020年3月19日]

令和 提案者ともいわれる中西進さんによる万葉集からの選歌・解説本。
日本の花鳥風月や人情の機微について、千数百年前から豊かに言葉にする文化があったことに感心した。

2020年5月23日

読書状況 読み終わった [2020年5月23日]

2019年4月の読書会 課題図書。渋沢栄一の語りを文字に起こしたもの。商業界デビュー前の幼少期・尊攘倒幕・一橋家仕官・フランス留学随行・大蔵省で制度づくり→辞職 まで。

はしがきより
・ゆづりおく このまごころの ひとつをば なからむのちの かたみともみよ

2020年4月14日

読書状況 読み終わった [2020年4月14日]
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2020/3 人間塾読書会の課題図書。

カバー裏の言葉
「幸福について語る人は数多いが、幸福であるということの絶対的な尺度は何なのか。神を信ずるとはいったいどういうことなのか。悩める人々に向かって語りかけるヒルティの深い学識と不動の信念がいぶし銀のような光を放つ人生論の古典。」

2020年9月27日

読書状況 読み終わった [2020年9月27日]

出世=世からでること

■抜書き
・「出世」を立身出世ではなく本来の意味で捉える。すなわち「フレームから抜け出す」と再定義することが現代人に必要なのではないか──と。(p.3)

・「明治維新という革命の原動力となった坂本龍馬と、それを世に知らしめた司馬遼太郎は、どっちがすごいのか? どっちが地球のために行動している人なのか?」(略)
 アラフィフになった自分は、すごくすごく司馬遼太郎になりたい!(p.23)

・「この場所にこのまま居続けたら自分もたぶん変われない」と、まずは自分が変わるために外に出たのです。(p.35)

★幸か不幸か、あなたはこの文章と、たまたま今この瞬間に出会ってしまったのも事実。あなたの人生における必然の出来事です。新しいことを始めてみませんか?
 ほんの「ささいやこと」でいい。むしろ、ささいなきっかけこそが人生を変えていきます。(p.72)
 #角田さんは、「新月は何かを始めるタイミングだ」という誰かのブログの文章がきっかけになった。

・「なら変えてみよう」を口癖にする(p.90)
 #植松努さんの「だったらこうしてみたら?」と近しい考え方

★まさにコンテスト世界。
 みんながみんなを審査し、論評し、優劣をつける。そりゃ必要なことなんだと思うけど、多すぎないでしょうか?
 僕はもう他人を審査し、論評し、優劣をつけたくないのです。
 それ以上に、審査し、論評し、優劣をつけられるのも嫌なのです。(p.171)
 #わかるな、この感覚

・自分をセルフプロデュースする

2020年2月11日

読書状況 読み終わった [2020年2月11日]

ずいぶん前に入手して積ん読になっていた本。
前半の貯蓄・投資の心得(4分の1天引き貯金など)は実用的なノウハウ。
後半の処世訓が、カーネギーの人を動かす的な なるほど感があって良かった。渋沢栄一氏らが同時代人として登場するのがさらによし。

当たり前のことが書かれているが、圧倒的努力で実践続けることによって結果に差がつくことを思い知らされる良書。

2020年1月20日

読書状況 読み終わった [2020年1月20日]

本書は「Sales」にフォーカスしたものだけど、「Enablement」という考え方そのものが、組織開発や人材開発の観点で大切だと思う。

本書でのセールス・イネーブルメントの定義は「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」(p.5)
「これらの複雑な課題を解決し、成果につながる育成を実現する仕組みがイネーブルメントです。」(p.57)

課題は、成果⇔行動⇔知識/スキル(学習) がプロセスレベル、システムレベル、組織機能レベルでつながっていないこと。

解決策の1つ目は「顧客視点の営業プロセス」へと見直すこと。これにより、顧客の意思決定の流れに整合させて、顧客情報を流れやすくする。

課題の2つ目は「成果起点の育成フレームワーク」。
このためには単発研修ではなく、トレーニング、コーチング、ツール/ナレッジ の整備が必要で、実施のための体制構築や人材アサインも大切。

何を言うかよりも誰が言うか。

現場から外してでも適任者をセールス・イネーブルメントにあてることで、組織としての本気度が伝わる。

2020年9月27日

読書状況 読み終わった [2020年9月27日]

ナデラの改革。どうやら本物っぽい

2020年9月27日

読書状況 読み終わった [2020年9月27日]

「人生100年時代、50歳こそ飛躍のチャンスです」
50を目前に出逢ったメッセージ。元気がでる。

■抜書き
・下手の横好き
 下手であっても、拙くても、好きでそれを続けているのであれば、それは人生の北極星になり得ると思います。(p.36)
 #好きが一番のポイント

・まずは「心の荷台」を軽くしましょう(p.45)
 #心配事=荷物。★本当に必要なものだけを選び、その他は捨てる

・家には絶対に仕事を持ち帰らない。そういう線引きをしっかりする。(略)今日やるべきことだけを書き出す

・エネルギーが足りない状態を「疲れ」というのに対し、「だるさ」というのはエネルギーが余っている状態(p.77)

・期間を意識して沼にハマる(p.82)
 #今月はレイモンド・チャンドラー月間。★マイブームを自ら仕掛ける

★自己評価を基準にして自己承認欲求を満たす、つまり1周目をしっかりと走り、客観的な評価眼を養ってきた自分自身に認められ、ほめられるような毎日をすごすことに重心を置く(p.116)

・向上心ではなく向上感(p.128)
 #審美眼に基づく高まりたい気持ち

★自分の故郷、地方の価値を再発見する(p.188)

・無料コンテンツを使わない(p.195)
 2周目の心がけとして大事なことは、お金を世の中にできるだけ回すこと

2019年12月28日

読書状況 読み終わった [2019年12月28日]
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