掲載誌もテーマも異なる短編(ノンフィクション)を、10作品詰め合わせたもの。
それぞれの記事の背景にあるものは、複雑にこじれてしまい、もうにっちもさっちもいかなくなってしまった社会問題の現状か。
いずれも、結論は記されていない。両論併記を配慮した結果というより、現状をありのままに記述したら、そうなってしまったという感じ。読み手が確実にジレンマに陥るであろう、もやもやと霧がかったようなルポルタージュの数々は、まるでテレビの深夜ドキュメンタリー番組を観ているかのよう。
それでも、本書はおもしろい。論のキレ味の悪さを、着眼点のユニークさでカバーしているからだ。
なかでも、小さな親切運動、世界遺産の白川郷、若狭湾の原発銀座のエピソードは目からウロコが落ちた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年11月22日
- 読了日 : 2012年11月22日
- 本棚登録日 : 2012年11月15日
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