美について (講談社現代新書 324)

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  • 講談社 (1973年6月20日発売)
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感想 : 20
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気になる記述はところどころあった。しかし、歴史をひもとき、否定と分析を繰り返した割には、ありきたりな結論しか導かれなかったのが残念。学問と言うより人生訓になってしまったからか。結論が残念だが、内容に滋味はある。

・ゲーテの時代のドイツには、「表現」という言葉はなかった。表現とは芸術創作の新しい概念であった。
・芸術作品の形態的完成に対して、そこに至る過程に視線が惹かれ、未完成の作品であるデッサンに、今世紀に入ってから、芸術の一ジャンルが認められた。
・東洋においては、写意がもともと。近代に入って、再現、写生になった。西洋では逆。
・美は風土的に異なった形で表象される。
・芸術は、個人の趣味に相関的だが、様式の時代的不変性に根ざしている。流行という社会心理学的現象の影響。
・芸術の時間は、物理的時間性と論理的無時間性を止揚した第三の時間。
・鑑賞は永遠に向かって開かれ、創作は永遠から人間的時間のなかに注入されてくる。
・芸術は感覚の問題から思想の問題に変わりつつある。
・芸術は概念的な認識が到達できない場所を象徴によって暗示する。
・自己の受信器官の優劣に問題があるのではなく、その理解を元に、種的な規格生産とは別な個的な創造として、宇宙のなかに具象的に作り出すかに人間の価値がある。
・芸術作品は、有限を介して無限へ至る精神の道であり、世界から超越へ、歴史から普遍へ、物質から理念へ至る垂直の柱。
・制作は多を一つのまとまったものに。創造は多くのものを産み出す一を作り出すこと:ベルグソン。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<哲学>
感想投稿日 : 2014年4月24日
読了日 : 2014年4月24日
本棚登録日 : 2014年4月24日

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