殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

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レビュー : 209
著者 :
ヒロセマリさん 教養   読み終わった 

「ルパン」と呼ばれている男を逮捕するには、もう一度この男が誘拐・殺人をするしかないのか。

桶川ストーカー殺人事件を読み、こちらも是非、読まないとと思っていて、ようやくです。

桶川ストーカー事件とは、埼玉県警が不正をして、結果ある女性がストーカーに命を奪われた事件。それを当時雑誌フォーカスの記者であった著者の清水さんが取材、それも現場、関係者への徹底的な取材により、警察よりも先に犯人を暴き、結果、実行犯の逮捕へ。そして主犯を追って―

という内容は読んでくれ!という大好きな、というのも問題があるかもしれませんが強い思いが詰まっている本。

今回のテーマは北関東連続幼女誘拐殺人事件。覚えてます。横山ゆかりちゃんの事件は当時にニュースでよく見ていましたし、未解決事件もののテレビで再現映像を何度も見ていました。そして年齢的にも近い子もいるので、親に「知らない人について行ってはいけないよ」と引き合いに出されるようなそんな事件というイメージがありました。

栃木、というと新しく2005年にも事件がありましたが、これは別件で単独犯でした。

1979年から96年までに4人の女の子が殺され、1人は20年近く行方不明。

群馬、栃木と県をまたいでおりますが、その範囲はごく狭いもの。それは今年、私自身の経験として、最後の事件現場となった群馬県太田市に住んでいる友人の家に遊びに行き、足利市は渡良瀬橋周辺に連れてもらったことから、「近い」ということが実感できます。

車社会の群馬の子からすると、すぐ近くで夕飯を食べに行くような感覚でするりと連れていってもらいました。

渡良瀬橋の歌詞にも出てきて私も訪れた「八雲神社」。ここでも1人の女の子が姿を消していたのだ。

近い距離だけど「県境」というのが、捜査を阻むポイントであった。踊る大捜査線とかきらきらひかるで見たような、県境の川で警察が相手に押し付け合うような世界が本当にあり、情報が、捜査が、指示が、ばらばらになる。

前回の本の感想記事にも書きましたが、テレビドラマの刑事もので描かれる世界っていうのはあながち噓ではなく、「優秀な私が描く高尚な全体最適な未来のためには小さな個別事案では悪も辞さない」という人が、人たちは本当にいるんです。

前回は埼玉県警のひどい人たちが出てきたのですが、今回は科警研。科捜研の女、が都道府県ごとにいる組織だとしたらその中枢機関となるこの科警研が今回のガンです。

そのために、この本には犯人とおぼしき人物への、明らかに怪しいだろうというインタビューまで入っているわけですが、警察は捜査をしません。

今も、犯人と思しき人物は女の子と触れ合いながら、パチンコをしています。

この人物、この本では「ルパン」と呼ばれている男を逮捕するには、もう一度この男が誘拐・殺人をするしかないのか。それが今の日本の現状なのか。

そう思わざるを得ない、日本に生きていることが悲しくなってしまう本でもあるのですが、ここで暮らしていくことを選んでいますので、この事実を知り、その上で生きていきたいと思います。

そして多くの方に、この本を読んでもらいたいと思います。

北関東にお住いの親御さん、気をつけて。今は自衛するしかないのが悲しいですが。気をつけて。

レビュー投稿日
2015年12月26日
読了日
2015年12月20日
本棚登録日
2015年12月26日
4
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