ひりひりするような文章を、もっと読みたくなる。
かつて読んだことがありましたが、また私の年齢環境想いも違って、新鮮に楽しめました。
最後まで読み進め、瀧での放浪、その後の泥まみれの映像だけ、自分の脳裏に当時しっかりと焼き付けていたようで、そのシーンにあたるところでそうだーそうだ、これだとぴたりとあてはまりました。
見てはいないのだけれど、どうしても、映画、寺島しのぶ、というイメージに引っ張られてしまう面は否めない。
あれ、アヤちゃんだったのか、いやそれともこの赫毛の女なのか?と思い読み進め、ああアヤちゃんなのか、と合点の行く始末。
ちなみに他の出演者は誰だったのさと気になって調べてみると、主演は大西滝次郎改め大西信満さんという方―ああキャタピラー主演でまた寺島さんと共演しているんですね―とセイ子ねえさんは大楠道代さんか。
自分の中の世界と、イメージが違う配役であるのと、そもそも独白だらけのこの作品を映像にすることというのはどうやってこの世界を表現していくのか、言葉をそのまま発信していくのか、この言葉に真正面からぶつかっている物語を映像にどう転換していくのか。
それが映画監督、俳優たちの腕の見せ所なのかな、と思います。
私はそれが映画よりも文字から思念する世界の方がより好み、なのでしょう。
言葉で虐げられ、言葉で傷つけられても、それでも言葉に救いを求め、すがって、支えにする自分が居るんです。
こういうひりひりするような文章が読みたいので、他の作品もメモ。
しかし私に圧倒的に足りないのは花に対する知識だと、改めて。
前回塩壷の匙や、吉屋先生の屋根裏の二処女を読むにつけ痛切に感じ、でも植物辞典はちょっと、趣味じゃないから俳句の季語辞典みたいなのを通読してみようかしら。
なにか、おすすめ、あれば教えてください。
- 感想投稿日 : 2015年9月22日
- 読了日 : 2015年9月21日
- 本棚登録日 : 2015年9月22日
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