ついに終了してしまった 竜馬がゆく 8巻 文春文庫

読み終わってしまうのが残念な物語でした。
坂本龍馬が若くして暗殺されている、
というゴールだけは知っているため、
読み進めるのが辛い気持ちもあり、はやる気持ちもあり
という複雑な心境でいました。

勝海舟と西郷隆盛の無血開城の石碑を見たことがあるのですが、
この出来事にはとうに竜馬は居なくなっていたのですね。

途中の巻の、じれったいほどの凪が、嘘のような忙しさで、
日本という国を作っていった竜馬。

「女が才能豊かに生まれつくということほど、不幸はあるまい。
その表現の場が、この世にはないのである。」

と乙女に対して思っていた頃から150年ほどで、
日本は大きく変わりました。
この変化こそが、竜馬の功績なのだと、感謝の思いで本を閉じました。

2013年12月31日

物語も後半、いよいよクライマックスに向けて現状が二転三転します。
海援隊や、薩長をその気にさせておいてのまさかの竜馬の策。

これがラスト1巻でどうなるのか。
日本のゆくえと、竜馬の人生のゆくえが、あと400ページ程度で
決まり、終わってしまう。
読むのが楽しみであり、さみしくもあります。

司馬先生の著作を、日本の古い順から読んでみたい、
という気持ちになっています。
あと1巻を残した段階で、本当に、読んで良かった!と思える本です。

2013年12月20日

「ひょんなこと」で人生は変わる。人間が変わる。

この巻はまさに「ひょんなこと」につきると思います。

寺田屋事件という事件を生き延びた竜馬は、
5巻、いや6巻の寺田屋事件の前までの竜馬とは
別人になってしまいます。

おりょうの存在と、おりょうへの想いが、
この後竜馬の人生にどうかかわっていくのか。

この先の展開を全く知らない私にとっては、
このおりょうの存在が、竜馬の人生に影を落とすのではと
不安に思ってしまいます。

女性に好かれない、おりょうの力が本を通じて私にも
伝わってきているのかもしれません。

2013年11月24日

順調に読み進み、残りが3冊になってしまいました。
長州から薩摩からピントが移っていき、
西郷隆盛が登場します。

今まで教科書の文字で見ていた出来事のはずなのに、
同じ文字を使って書かれているはずなのに、
この本では出来事、人間が息づいていて、
この時代の人が、日本がどうなって行くのかが気になり、
ついついページをたぐっていってしまいます。

5巻の竜馬の交渉術。

「金よりも大事なものに評判というものがある。
世間で大仕事をなすのにこれほど大事な物はない。
金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ」

ついつい目の前のちょっとしたお金にくらんでしまいそうになりますが、
こういう意識づけ、心がけをして行動をしたいと思います。

美しい、様々な日本語がちりばめられているので、
辞書を持って逐一チェックしたい、とも思う一冊です。

2013年11月12日

交渉術、というか議論術、竜馬独特の議論の場における会話術、
自分の在り方について非常に参考になります。

今自分がそういった本を探しているのですが、
下手なビジネス新書より、この小説を読み進める方が
ためになりそう、と思っています。

また、勝が出かける際に、日本の官僚が次々と
ついてくることに対し、日本はこれで亡びると
竜馬に話す場面がありました。

今の日本で言うならば押印主義、その場で何も決めることが出来ない
サラリーマンと諸外国との違いではないでしょうか。
この頃の日本と今の日本は根本的に変わらない。
これが日本の本質なのでしょうか。

そうやって、日本は諸外国に比べてどんどん国力が劣って行くのか、
という危惧を感じました。

2013年11月5日

前半、

(実が要るのさ)
竜馬にも、いまは身もふたもない。しかし、作り上げたい
と夢想はしている。

といっていた竜馬が
勝海舟に出会い、ようやく一歩、階段を上ります。

そして後半ではいよいよおりょうと出会います。

そこで再び出てくる寺田屋のお登勢さんが実に格好いい。

「伏見の寺田屋というのは、天下の共有でお登勢のものじゃありません」

という台詞は、私の脳内では魔女の宅急便の中のオソノさんに
変換されておりました。つまりは戸田恵子さんか。

今後もお登勢さんにも注目しながら読んでいきたいところです。

田鶴さんはかわいそうなところがあるけれども、
竜馬がおりょうに惚れた理由が書いてあり、
それが至極納得のいくものだったので、
こればっかりは仕方のないことなのかなと。

竜馬に惚れた女たちのその後、もどう描かれるのか、楽しみです。

2013年10月28日

歴史小説というのは、基本的に、会話文、登場人物の心情、
それに地の文とで構成されていると思っていたのですが、
司馬さんの小説は、地の文ではなく、
司馬さんが地の文プラス解説者として出てくる、
そして場合によっては語りかけてくれる
ということを知りました。

私の中で物語の中で、登場人物以外が細く説明をしてくれる
キャラクターで印象に残っているのが
スラムダンクでバスケの解説に出てくるDr.T、
OH!MYコンブで料理の説明をする
秋元おすしこと秋元康です。

そんなことを思い出しながら、読んでいました。

冒頭ゆっくりとした流れ、というかむしろ凪の時期であり、
どうなるかと思いましたが
終盤で竜馬が駆け始めました。

3巻からはもっとスピードが加速していくのだろうと、楽しみでなりません。

2013年10月18日

学生時代に実家にあったので、読んでみようと思ったのですが、
その時は気持ちが進まず、ちょうど100ページで
読むのをやめてしまったことだけ
記憶に強い本でした。

今回は、読むタイミングが良かったのかもしれません。
物語に引き込まれはじめています。

「恥といふことをうち捨てて世のことは成る可し」

という、竜馬語録にははっとさせられました。
先日、似たようなことを発言していたからです。

やはり、周囲の人への恥の思いを打ち捨てて、
大きな目標に立ち向かいたいものです。

若い頃は、そんな竜馬の気持ちに、対峙できなかったのかな、
と思います。

20歳の竜馬に、今ようやく向き合えそうな予感がしています。

2013年10月12日

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